「今、日本のブランドが世界で戦える雰囲気が生まれつつあります。僕らが思う東京のユース感というものは、おそらく世界からすれば新鮮だと思いますし。東京で活動して自らの感覚でクリエーションを行うことは、それ自体がオリジナルであって、世界には真似できないと思うので。しっかりと丁寧に、東京の隅っこの部分までを伝える、そのためのコレクションが今回の秋冬です」

今季のコレクションテーマは、『坂、水、そして光』。東京の街は「坂が多い」「水の街」だ。「ビル群の隙間から、アスファルトに光が差し込む風景」が、トウキョウストリートの情緒だ。

「僕自身も東京出身なんですが、今まで気付けていなかった部分にフォーカスしました。まぎれもなく東京を象徴しているものを表現として、ファッションと接続させたいなと思いました」


2017年春夏コレクションより

その試みは次のコレクションにも引き継がれる。パリで発表された2017年春夏コレクションは、今までの集大成であり、そして改めて世界に向けての出発点となるものだった。

「これまでのグレイテスト・ヒッツみたいな感じ。パリで僕らのブランドが求められた時に、改めて丁寧にブランドを紹介したいな、と思いました。僕ら東京のユース感であったり、大切にしているインスピレーション等をどうアウトプットしていくかを突き詰めた結果がこのコレクションなんです」

大きなステップとなった今秋冬と次の春夏。だが、本人が見据える未来はリアルと地続きだ。

「目標や夢を想像し、計画してみても、実際の世界では想定外のことの連続です。なので、その起きた事象に対してアクションを返さないといけないってなった時に、ファセッタズムはどんな時でも柔軟に打ち返せるチームでありたい。今の東京の流れの中でブレずに、オリジナルなままで居続けたいですね」




Text:Morishita Ryuichi
Photo:Okada Natsuko

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