――コレクションの中で象徴的だった"クレストブリッジチェック"。その他、今シーズンのキーアイテムを教えてください。

<ブラックレーベル>もそうであったように、その柄を見ただけでブランドのイメージが沸くようなアイコン的な柄にしたいなと思っていました。今までのチェックの見せ方とは違いブッロクチェックを使い、「どこかクラシックでありながらどこか新しい」そんなことを思いながらホワイトをアクセントにバランスを取ったカラーリングに仕上げました。


今回、モッズというテーマの中で、なるべくベーシックな考え方でクリエーションを進めました。モッズコートは「M-51」というアメリカ軍のコートなんですが、その当時のイギリスの若者たちがスーツの上から羽織っていたコートで、言わばモッズスタイルのシグニチャー的なアイテム。幾何学的なカモフラ柄から覗くように見えるレジメンタルストライプで、どこかブリティッシュな雰囲気を出しました。また、フラップポケット上のジップやコートの裾からわざとはみ出したライニングなど<クレストブリッジ>ならではのディテールを足すことで、ただのイギリスへの憧れだけではなくチャレンジすることも示したのが今回のコレクションなんです。


続いてはハウンドトゥースをカモフラ柄のようにアレンジを加えたダウンジャケット。1950年代、エベレスト初登頂の際のイギリス探検隊や登山を好んだ当時の貴族たちの間でホリデーウエアとして人気のあったスタイルを掘り起こしました。ウエストにはおおきなドローコードがあって、そこを絞ることでシルエットのアレンジも楽しめます。
今のようにダウンジャケットがある時代ではなかったので、ツイードのコートやジャケットを重ね着したり、ミリタリーウエアの中綿を入れたり…。自分たちで今ある洋服のスタイルを作っていったんです。これも本来ブリティッシュに由来するスタイルなんですよね。


前後がバイカラーになったトレンチコートは、ベーシックなものを主として表現しようとした中で、よりディテールに強いこだわりを注ぎました。例えば、ウエストのフラップが水平に配されたホライズンポケットや、高い位置に入ったポケットは本来のミリタリーの要素で必要不可欠なクラシックなディテールだったり…。
今までのクラシックなトレンチにはないバランスやカッティングが盛り込まれている、僕が狙いたかったところがしっかり表現できたと思います。


――コレクションの中でも重要なパースとなった靴。その存在は三原氏にとってはどういう位置付けに?

僕は靴が好きでこの世界に入ってきたようなもの。足元にありながら、履いている人の個性を一番に引き出すポイントとして差をつける重要なアイテムなんです。サブではあるけれども、僕にとっては大きなメインのような存在かな。

デビューシーズンはストレートチップやウイングチップなどベーシックなスタイルにちょっとしたエッセンスを加えました。例えばキルトタンを使ったイギリスの古典的なディテールにスタッズを打ったようなものだったり、フラットソールにクリアヒールを使いスニーカーライクな革靴づくりを目指しています。生まれたころからスニーカーに慣れ親しんでいる日本人の"だんびろ"な足形に合わせ丸みのある木型を採用しているのも特徴の一つです。

そして、スニーカー。進化を続けるフットウエアの象徴ですよね。革靴はあくまでクラシックでオーセンティックなイメージ。100年以上も製法が変わらなんですから。逆にスニーカーはテクノロジーの進化と共にどんどん変化をする。「革新」という意味ではスーツスタイルにも合うスニーカーの提案もしています。あえてキルトタンを付けることでトラッドなイメージに仕上げたスニーカーは、革の間から覗くように入ったユニオンジャックがポイントになっています。

ポップアップショップでは先行発売や、イセタンメンズ限定発売のアイテムをラインナップ。9月1日(火)まで開催される。

 <BLACK LABEL CRESTBRIDGE/ブラックレーベル ・クレストブリッジ>ポップアップストア
□8月26日(水)~9月1日(火)
□メンズ館6階=コンテンポラリーカジュアル

お問い合わせ
メンズ館6階=コンテンポラリー カジュアル
03-3552-1111(大代表)