日本の情熱と職人技 手仕事の美学|ウォッチコレクターズ ウィーク 2026
時計界においても年々プレゼンスを高めている日本発の腕時計。日本 からも独立時計師と呼ばれる個人作家が作品を発表することも増えており、独自の美学や丁寧な手仕事ゆえに、世界中のファンから快哉をもって受け入れられている。
その先鋒となるのは、日本初のトゥールビヨンを製造した浅岡肇氏だ。自身のブランドのほか、かつて存在したブランド、<タカノ>を復活させて話題に。また、<大塚ローテック>の片山次朗氏も権威あるアワードを受賞するなど、今注目の存在だ。
<大塚ローテック>
クラフト感が満載、“町工場発”の個性派たち
名前のとおり、いかにも〝ローテック〞なデザインが目を引く個性的な腕時計たち。<大塚ローテック>は、デザイナー片山次朗が大塚のアトリエで始めた独立系のウォッチメーカーだ。
「材料が小さくて済むことと、狭いアトリエでも作業ができることから、小さなサイズの腕時計はおあつらえ向き。しかも、旋盤で作りやすい。最初から〝コレ〞という感じはまったくなくて、手を動かしていたら自然と時計作りにたどり着きました」
片山は、自動車やプロダクトのデザイナー出身。特に時計について勉強したわけではなく、時計専門学校も出ていない。SNSや動画サイトなどを通じて時計作りを始めた。
「オブジェやアートでもない。道具だけれど装飾品にもなる。しかも、身に着けるとパーソナリティを表す小道具にも。そんな時計にいつしか惹かれていきました。いつか手に入れたいロマンも感じさせます」
自分がワクワクする方に、体が勝手に動いていく。ふとした道具を探しにネットサーフィンを始めると、目的とは違う〝気になるもの〞をきっかけに、あちこちとネットの海を彷徨い、気づいたら、時計デザインのアイデアを探していた│ということもしばしばだそうだ。
「時計と異なる他分野のものが着想源になることが多いです。自分が欲しいものを作っているだけ。哲学という大それたものはありません。幸運にも、自分の〝好き〞を共感してくれる人が多いのはうれしいです」と、謙遜気味に話すが、近年は、〝時計のアカデミー賞〞と称されるジュネーブ・ウォッチ・メイキング・グランプリ(GPHG)にてグランプリ受賞(24年)、ノミネート(25年)などで世界からも注目の的だ。
「写真には写らない魅力を体感してほしい」と、伊勢丹での常設展示にも意欲を見せる。
■商品詳細
(a) 7.5号 396,000円
SSケース:直径40mm/約40時間パワーリザーブ/自動巻
(b) 6号 495,000円
SSケース:直径42.6mm/約40時間パワーリザーブ/自動巻
(c) 5号改 825,000円
SSケース:直径40.5mm/約40時間パワーリザーブ/自動巻
(d) 8号 990,000円
SSケース:縦47.8×横31mm/約32時間パワーリザーブ/自動巻
(e) 9号 17,600,000円
SSケース:縦48×横30mm/約40時間パワーリザーブ/手巻
*伊勢丹新宿店では展示のみで販売はございません。
<タカノ>
世界的高級時計を日本から発信する志
枕詞として「伝説」「幻」が冠される国産ブランド<タカノ>。理由は、事実上存在したのが、1957年から1962年までのわずか4年11カ月という短さゆえだ。それでも、現代の時計ファンから支持されるのは「世界的高級時計を日本から」という崇高な理念と、それを短期間で実現した確かな技術力があってこそ。
自身も好きだったという理由も手伝って、浅岡肇はこの復活に着手。使用権を借り上げ、休眠ブランドの<タカノ>を現代に蘇らせた。
■商品詳細
シャトーヌーベル・クロノメーター
各880,000円
SSケース:直径37mm/約40時間パワーリザーブ/3気圧防水/自動巻
*伊勢丹新宿店では展示のみで販売はございません。
「マスプロダクトとして高級時計を作るのは案外難しい。下手にバランスを取ろうとすると中庸に陥りかねない。必要なのは、万人向けながらも個性を損なわない時計作り。その両立は、挑戦するに値します」外装面で浅岡は、ケースのザラツ研磨とボンベダイヤルに挑戦する。
「ザラツ研磨は、手作業を要する職人技ですが、これを美しく〝魅せる〞ためのデザインが必要でした」
仕上げが映えるデザインといえば、浅岡の十八番。歪みのない二次曲面を合わせたケースは、面どうしが接する辺がシャープなエッジを形成。植字インデックスが映えるボンベダイヤルも美観の向上に貢献する。
「エッジに向けてカーブするボンベダイヤルは機械では磨けません。だから、いかに塗装でビシッとした光沢面を得られるかが勝負。歩留まりは悪いですが、妥協せずクオリティを出せた個体のみを採用しています」
<タカノ>復活において、もうひとつのカギを握るのが、ムーブメントの高精度化だ。浅岡は、ブザンソン天文台クロノメーター検定の取得を決意する。これには、COSC(スイス公式クロノメーター検定)の合格が条件であり、それ以上の精度が要求されるハードルの高いものだ。
「最初の検定では、10本のうち3本しか合格できませんでした。現地と日本の温度差も影響したと考えます。が、結果的に当社の時計師たちが合わせ込んで合格率を高めました」
現在、ブザンソン天文台クロノメーター検定を受けている国産時計は、<タカノ>のみ。検定を受ける時計の多くは、工芸品的な超高級機だ。汎用機がしないことを敢行する裏には、「世界的高級時計」に向けた浅岡の並ならぬ情熱が感じられる。
かくして美しい外装と、高精度を両立し、ほかにない個性を獲得した「シャトーヌーベル・クロノメーター」が誕生。「世界的な高級時計」と呼ぶに十分な条件を備えている。
*伊勢丹新宿店では展示のみで販売はございません。
- 展示開始:7月8日(水)から
- 展示場所:伊勢丹新宿店 本館5階 ウォッチ
ウォッチコレクターズ ウィーク 2026
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- 開催期間:7
- 開催場所:伊勢丹新宿店 本館5階 ウォッチ
*価格はすべて、税込です。
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