【連載】正解は「作る」よりも「一緒に見つける」をモットーに。メンズアテンダント増子 香織 |イセタンメンズ スタッフプロフ
伊勢丹新宿店メンズ館に所属する、個性豊かなスタイリストにクローズアップしてご紹介する連載企画「イセタンメンズ スタッフプロフ」。
今回は、メンズテーラードクロージングを主戦場に“一緒に正解を見つける力”で信頼を集めるメンズアテンダントの増子香織が登場。親身なヒアリングでお客さまの潜在ニーズを言語化し、買い物の時間そのものを、心地よい体験へと導きます。
伊勢丹新宿店メンズ館 メンズアテンダント
Instagram:@isetanmens_attendant
「作る」より「組み合わせて見つける」が性に合う
学生時代は服飾学校でデザインを学びましたが、学ぶほどに“ゼロから作る”より、既存の服を組み合わせて魅力を引き出すことに面白さを感じるようになりました。ブランドやジャンルを横断して提案できる。その百貨店ならではの環境に惹かれて、伊勢丹を志望しました。
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自分では着られないからこそ惹かれるメンズファッションにも強い関心があり、入社後は紳士服フロアを希望。配属先は<アルマーニ・コレツィオーニ>でした。多彩なブランドを扱える百貨店に入ったものの、一つの世界観を深く学ぶ大切さを最初に体得できたのは大きな財産です。
その後、シャツタイ売場、メンズテーラードクロージングへと経験の幅を広げ、いまはスーツやジャケットといったドレス領域を中心にお客さまへ装いをご提案しています。難しいのは、お客さまご自身が「どういう服が正解なのかまだわからない」という状態でいらっしゃることが多い点です。そういうときは、まずは会話と観察。お召し物、ご職業、ライフスタイル、気に入っていそうなアイテムなど、表情の変化も含めて拾います。さらに「周りからどう見られたいですか?」とお聞きして、第三者目線もいっしょに言語化していきます。
決まった答えがないご相談ほど、対話の中で“その方だけのゴール”が見えてくる瞬間があるんです。あの迷いがふっとほどける瞬間がいちばんうれしい。思えば、学生時代に“作るより組み合わせるほうが好き”だったのも、自分ひとりで正解を決めるより、お客さまといっしょに正解を見つけていくやり方が性に合っていたからなのだと思います。
“美は細部に宿る”を体現する<ルイジ ボレッリ>との出会い
シャツタイ売場を初めて担当したときに出会った<ルイジ ボレッリ>は、強く印象に残っています。<アルマーニ・コレツィオーニ>では一つのブランドの世界観の中で装いを提案していましたが、雑貨(シャツ・タイ)では物づくりの背景に触れる機会が増え、毎日が発見の連続でした。なかでも<ルイジ ボレッリ>のシャツは、着心地の良さに加え、襟の表情や縫製、運針まで細部の作り込みが際立っていました。
デザインは主張しすぎず、むしろ中庸。でもだからこそ、誰が着ても清潔感のあるきちんとした装いになる。まさに「美は細部に宿る」を体現するブランドです。ドレスクロージングの魅力が、細部のこだわりの積み重ねにあることを感じさせてくれたブランドとの出会いでした。
「お買い場は劇場」という教えを胸にアテンドを
「お買い場は劇場」。かつて先輩からそんな言葉を授かりました。せっかくお越しいただいたのだから、お客さまには楽しい時間を過ごしてもらわなければいけない。だからこそ、洋服を購入するときだけでなく、ヒアリングやちょっとした会話、コミュニケーションの時間も楽しい瞬間へと演出したく考えています。そして、着こなしに迷っているお客さまに寄り添い、「一緒に正解を見つける」お手伝いができれば嬉しいですね。
スタッフが用意した正解を主張するのではなく、徹底したヒアリングと観察を通じて、対話から辿り着く「お客さまの正解」へ。自身でも装いのゴールがまだ曖昧だという方こそ、ぜひ増子のアテンドでその共同作業を体験してください。
メンズアテンダントのご予約はこちら!
伊勢丹新宿店 メンズ館ではコンサルティングサービス、アテンドサービスなど、ご要望に合わせてお客さまのお買物をお手伝いするサービスも充実しています。シーンに合わせたスマートカジュアル、大舞台でのドレスアップした装いなど、お気軽にご相談いただけます。
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Photograph:Shinpei Suzuki
Text:Shinji Hashimoto
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