2023.11.29 update

【連載】マイ・ブレザー、マイ・ルールを探す名店めぐり—前編「ネイビーブレザーストア豪徳寺」|イセタンメンズ散歩


伊勢丹好評連載企画「イセタンメンズ散歩」、バイヤー×キュレーター第7弾は”ブレザー”の可能性へ。

日常着からハレの場まで、男のエッセンシャル(定番)アイテムとして一着持っているとなにかと便利なネイビーブレザー。ただ、ユーティリティーなアイテムだけに、いつも同じような着こなしになってしまいがちです。

伊勢丹新宿店 メンズ館7階メンズオーセンティックのバイヤー佐藤が、「ブレザーの着こなしの可能性」について探るために出かけたのは、昨年9月にオープンしたその名も『ネイビーブレザー豪徳寺』と、先日オープン4周年を迎えた『J.PRESS&SON’S AOYAMA』。


佐藤が初めに訪れた先は豪徳寺。メーカーズシャツ鎌倉の企画を務める川田 真之介さんとともに、『ネイビーブレザー豪徳寺』の店主、ブレザー小林さんに会いに行きました。小田急線「豪徳寺」徒歩すぐの豪徳寺市場内にある注目店です。

  1. ネイビーブレザー豪徳寺の店主が、スタイリングにこだわる理由
  2. どの世代からも愛されるネイビージャケットの魅力とは
  3. ブレザー小林氏流スタイリングの極意は、壁のコーディネートをチェック!
    1. 川田さんは自身のタイドアップをベースにして、“プラス・スタイリング”
    2. バイヤー佐藤はデイリーアイテムの重ね着で、“スタイリング・チェンジ”

 

トラディショナルな街・豪徳寺に、ネイビーブレザーの店がよく似合う 

 

 

プロフィール

川田 真之介氏(画像右)

メーカーズシャツ鎌倉 / 企画

2018年メーカーズシャツ鎌倉㈱入社。現場経験を経た後、現職。トラッドを基調としたスタイリングにヴィンテージアイテムやスニーカーをスタイリングに取り込み、現代版のシャツスタイルを提案する。Instagramで日々のスタイリングを提案し、同世代中心に支持を集めている。
Instagram @cityboi_shinn


佐藤 大介(画像左)

伊勢丹新宿店 メンズ館7階メンズオーセンティックバイヤー

学生時代、大手セレクトショップでの経験を経て、2015年(株)三越伊勢丹入社。メンズクリエーターズを中心としたカジュアル領域や新規プロモーションでのアシスタントバイヤーを担当し、22年より現フロアを担当。ネイビーを基調としたシンプルかつクリーンなスタイルが得意で、新しいネイビーブレザーの取り入れ方を企画中。

 

ネイビーブレザー豪徳寺の店主が、スタイリングにこだわる理由

佐藤 大介(以下、佐藤) オープン当初に伺いましたが、店内の壁にはスタイリングがしっかり組まれていて、雑誌がそのまま飛び出したような雰囲気は変わっていませんね。


川田 真之介(以下、川田)
ウワサに聞いていた以上に、個性的で濃い空間ですね。今日は、小林さんに「ネイビージャケットのスタイリング」を教えてもらいに、佐藤さんと一緒に伺いました。小林さんはどうしてこのロケーションを選んだのですか。


 

【訪れたお店・人】


ネイビーブレザー豪徳寺 店主 ブレザー小林氏

店主の小林氏はアメリカブランドやイタリアラグジュアリーブランドでセールスタッフ、マネジメントを務め、さまざまな顧客のスタイリングを担当して信頼を得た実績を持つ。豪徳寺駅前で約100年の歴史を持つ豪徳寺市場内に昨年9月にオープンした「ネイビーブレザー豪徳寺」、店内の“ネイビージャケット”を軸にスタイリングが並ぶディスプレイ”は見応えあり。
Instagram @navyblazer_store

 

ブレザー小林(以下、小林) 東京都世田谷区豪徳寺という歴史のある街に、ネイビーブレザーというクラシックなアイテムがフィットするだろうという思いと、以前欧州へ訪れた際、路地の奥まったところにテーラリングのストアがあり、「これは奥まったところに面白いな」というインスパイアからオープンしました。

 

川田 店名の「ネイビーブレザー」はド直球ですが、ブレザーが持つ懐(ふところ)の深さを感じさせる良いネーミングですね。

 

小林 アメリカブランドでセールスを始めたとき、最初に買ったジャケットこそブランドのアイコンである店名であるネイビーブレザーでした。ネイビーブレザーを2~3年試行錯誤しワードローブとして着回していくうちに、ネイビーブレザーの奥深さに触れていきました。

 

佐藤 なるほど。ネイビーブレザーは小林さんのルーツでもあるんですね。

 

どの世代からも愛されるネイビージャケットの魅力とは

 

佐藤 自分もネイビーブレザーは“基本のキ”ぐらい好きなジャケットですが、店内のスタイリングを見ると、スポーツやテック系などを上手にミックスしていて、テーラードジャケットのとなりにエアジョーダンがある雰囲気は大好きです。

 


佐藤 古着のセレクトもシブくて、スタイリングの意図を感じさせますよね。

 

小林 その後ラグジュアリーブランドでの勤務時代、アポイントのお客さまから行く場所やシーンなどお伺いできた際は、事前に何パターンかスタイリングをし、お出迎えしておりました。
その中でも着回しのきくネイビーブジャケットは便利な為、春夏はリネン素材、寒暖差のある場所にはカシミア素材でご提案などスタイリングにはかかせないアイテムでした。このストアは、プライベートスタイリングルームまたはお客さまのクローゼット代わりに見てほしいという思いもあります。

 

川田 「小林さんの部屋に遊びに来た」と思うと、おしゃれの話も自然と盛り上がりますね。

 

小林 ブレザーは、季節を問わず気軽に羽織れて、どの世代からも愛されるとても便利なアイテムで、クラシックだけど、着こなしで時代感を捉えることもできます。そういうメッセージを、このストアではジャケットと、懐かしい小物やカルチャー、一部古着をミックスしスタイリングでご提案させていただいています。スポーツ、ワーク、ミリタリードレスが主にスタイリングの軸です。

 

佐藤 スニーカーの合わせ方も含めて、小林さんのスタイリングは“ひとひねり以上”考えられていて、「こう着ればいいんだ」と見ていて本当に楽しいです。壁のスタイリングにも意味がありそうですね。

 

ブレザー小林氏流スタイリングの極意は、壁のコーディネートをチェック!

 

小林 店内右の壁のコーディネートは、奥から20代、30代、40代、50代を想定してスタイリングを組んでいます。 


川田 それは凄い! そういう発想のディスプレイは初めて見ました。

 

小林 世代別とは別に、3~4ヵ月に一度、シーズンテーマを設定して、スタイリングを組むようにしています。直近では「サッカー」をテーマに、サッカー選手が遠征や移動、プライベートの際にジャケットを羽織っているシーンをイメージしてスタイリングしてます。

 

佐藤 テーマが決まっていると、自由なコーディネートの中にも小林さんの秘めたルールがあるようで見ていて愉しいです。

 

川田 小林さんの発想は自由すぎます。面白いなぁ。

 

小林 普段ビジネスでご多忙なお客さまへ、「よろしければワードローブのご提案をさせていただきます」というのがお店を始めた時からのテーマでもあります。店内のスタイリングは1週間から10日ほどで変えています。
お客さまのご来店時オンタイムよりちょっと先の2週から1ヵ月先のスタイリング提案ができるよう心掛けディスプレイしています。

 

佐藤 まさに大人の男が楽しむブレザーの店ですね。革靴もスニーカーも、カシミヤブランドを扱っているのも、東京のミックス感そのものです。 

 

川田さんは自身のタイドアップをベースにして、“プラス・スタイリング”

  

佐藤 それでは川田さんのスタイリングをネイビーブレザーストア流にアレンジしていただけますか。

 

小林 川田さんの本日のスタイルはローファー爽やかなタイドアップにチルデンニットをご着用されてますので、ブレザーの中にスポーティーなアイテムを1枚挟んで、“POPなSPORTSプレッピー”でスタイリングをご提案させていただきます。

    

 

川田 ブレザーの中にウインドブレイカーを挟む着こなしは自分の中にはない発想なので、すごく新鮮です。それと蛍光色のニットキャップがステキですね。自分は全身ワントーンにヴィヴィッドな色を加えるのが好きなのでバッチリです。

 

小林 ナイロンにウールでアクティブな感じをプラスして、軽快に自転車にも乗っていただけるようなイメージでスタイリングしました。川田さん華のある印象にSPORTSプレッピーな感じがよくお似合いです。

  

 

川田 胸ポケットに差したカラーペンもアクセントが効いて、ニットキャップと相性が良いです!

 

 

バイヤー佐藤はデイリーアイテムの重ね着で、“スタイリング・チェンジ”

 

小林 佐藤さんには、ゆったりとしたリラックスネイビージャケットでスタイリングさせていただきます。
30代前半さわやかなビジネスマンの週末というテーマ設定で。

こちらのコーディネートもデイリーなアイテムの重ね着で表現しました。カラーは、川田さん同様ネイビーにホワイトベースで足元をスケートシューズにし、全体的に動きやすいをテーマにスタイリングしました。

 


佐藤 ネイビージャケットは大好きなんですが、どうしても着方が固定化されてしまうので、こうしてベストを中に挟むのは新鮮です。

 

小林 襟元の白がアクセントになって、あまり重くなく、車を運転する週末のイメージで、また落ち着いた大人男性のイメージで仕上げてみました。


佐藤 このネイビーブレザーは小林さんの思いがギュッと詰まっていそうですね。

 

小林 こちらのネイビーブレザーはオーダーのモデルになります。ご注文頂いてからお渡しまでの期間は5~8週間。形はボックス過ぎないややシェイプが効いたシルエットで、肩パッドなしの段返り3つボタン、パッチポケットで、裏地のテーマカラーを出せるように袖を折ることができる本切羽仕様。オンでもオフでもシーンを問わず着用できるのが特徴です。ゆったりした紺のジャケットがクローゼットに1着あるととても便利だと思います。

 

佐藤 袖裏ライナーの蛍光色が効いていますね。

 

小林 ライナーは、1番最初のシーズンテーマが「テニス」で、テニスボールの主審が着用している姿をイメージしてます。同色など他にもライナーのカラーはお選びいただけます。

 

佐藤 裏地がテニスボールカラー! 遊び心満点です。
 

小林 このジャケットは、カバーオールやセータージャケットのように気兼ねなく着ていただけるアイテムです。ビジネスシーンではあえて袖は折らず、オフやディナーの際、本切羽の袖を1つめくって粋に着てください!

 


佐藤
ポケットにニットキャップを挿し込むなど細かいアクセントも、単純にカジュアルにならず、“抜け目がないスタイリング”という感じですね。小林さんのスタイリング術は、聞くほどに面白くて勉強になります。

 

  

  • shop info

    ネイビーブレザー豪徳寺

    東京都世田谷区豪徳寺1-22-5 豪徳寺市場内
    TEL03-4362-7821
    営業時間 午後1時~午後7時30分
    月曜定休
    Instgram:@navyblazer_store
 

豪徳寺で“ブレザーの面白さ”を満喫した佐藤は、「J.PRESS&SON’S AOYAMA」の黒野さんに会いに青山へ向かいます。

 

 

 

Text:Makoto Kajii
Photograph:Naoto Date

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