2021.02.10 update

【インタビュー】釣りから生まれた<DAIWA/ダイワ>のリアルクローズライン<ダイワ ピア39>と「WEEKEND」の邂逅。その全貌に迫る。


フィッシングのジャンルで世界的なリーディングブランドとして高い評価を得ている<DAIWA/ダイワ>。そこで培われた経験を、日常というフィールドの中で表現した、釣りという趣向から生まれたリアルクローズライン<DAIWA PIER39/ダイワ ピア39>のポップアップイベントが、2月17日(水)から伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリーにて開催される。

そして今回、このポップアップイベントに合わせて、今ファッションシーンをザワつかせているクリエイティブチーム「WEEKEND」との別注アイテムを発表した。早速、その全貌について、「WEEKEND」メンバーと<ダイワ ピア39>のディレクターを務める、<BEAMS/ビームス>メンズカジュアルディレクターの中田さんに話を聞いた。

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    金子恵治さん
    セレクトショップ「EDIFICE」にてバイヤーを務めた後に独立。自身の活動を経て、後に 「L’ECHOPPE 」を立ち上げる。


    大島裕幸さん
    文化服装学院卒業後、某デザイナーズブランド、某大手セレクトショップを経て、2019年秋冬からユニセックスブランド<HERILL/ヘリル>を立ち上げる。


    西野大士さん

    老舗アメトラブランドのプレスを経て、現在はプレスオフィス「NISHINOYA」のディレクターとして、国内外20ブランド以上のPRを担当。2015年からトラウザーズ専業ブランド<NEAT/ニート>を立ち上げる。


    中田慎介さん

    <BEAMS/ビームス> メンズカジュアルディレクター。2012年に<ビームス プラス>のディレクターに就任後、<ビームス>のチーフバイヤーを兼任し、2015年3月より現職。<ビームス>のメンズカジュアル全体を束ねる<ビームス>の仕掛け人であり、<ダイワ ピア39>のディレクターも務める。

 


そもそも「WEEKEND」って何?

ー最初に別注アイテムの紹介をする前に「WEEKEND」のことについて教えていただけますか?

西野:レーベルとしては「WEEKEND」と「THE WEEKEND CITY CLUB」の2つあります。最初にできたのが「WEEKEND」で、たしか2019年の秋頃。メンバーは金子さん、大島さん、僕の3人で、週末にフリマをやりながら毎月全国を回れたらいいねっていう、本当に単純な動機で集まったのがきっかけです。で、やっていくうちに、スーベニアグッズみたいな、「WEEKEND」の名前が入ったTシャツやキャップを作ろうという話になって、試しにロゴを入れたアイテムを作ったら、ありがたいことにそれを目的に来られる方が増えてきて。そんな感じでゆるーく活動してます。

ーそれぞれの役割は決まっているんですか?

金子:僕がディレクターとしてアイデアを出して、大島さんがそれを形にしてくれて、西野さんが広報として動いてくれる。一応そんな役割分担になってます。みんな得意な分野がバラバラなので、まとまらないときもありますが、志はひとつなので、なんとか一緒にできてますね(笑)。


ーでは、「THE WEEKEND CITY CLUB」というのは?

金子:去年の夏ぐらいに、みんなで体験型の何かをしたいねって話になって。最初はバッティングセンターだっけ?

大島:ゴルフですね。

金子:そうそう、誰かがゴルフに行かなきゃいけないって言っていて、じゃあ、やろうってなったんですけど、みんな初心者だしコースを回ることはできないから、だったら僕らの主戦場は打ちっぱなしだ!ってなって。とはいえ、なめられちゃいけないから、ユニフォームを作って同じものを着ていきたいよねという話になり。ゴルフってよく“〇〇 COUNTRY CLUB”って言うじゃないですか。僕らの場合は打ちっぱなしだから“CITY CLUB”じゃない? って(笑)。

ーなるほど。ゴルフが発端というのは意外でした!

金子:結局、打ちっぱなし用のユニフォームは実現しなかったんですけどね(笑)。ただ、街中でやるアクティビティだから“CITY CLUB”っていうのは面白いねって。僕だったらサイクリングやランニングみたいに、みんなそれぞれやりたいことに合わせて作っていこうと。それで「THE WEEKEND CITY CLUB」ができました。まあ、一種のクラブ活動みたいなものですね。




ーそれで言うと、今回の<ダイワ ピア39>との取り組みもクラブ活動の一環であると。

金子:そうですね。

大島:たしか、ちょうど「THE WEEKEND CITY CLUB」のロゴを作る時に、ゴルフもそうだけど、釣りもあるよねって話をしていて。

西野:そうでしたね、釣り堀行きたいって言ってました(笑)。

金子:それでタイミング良く、<ダイワ ピア39>の展示会があって、いい流れで話が進んでいきました。



釣りとミリタリーの掛け合わせの妙。

ーところで、みなさんの釣りの経験はあるんでしょうか?

金子:ほぼないです。

西野:僕もないんです。大島さんはありましたよね?

大島:子どもの時から25、26歳までバス釣りをやってた気がします。当時はかなりハマってて、仕事終わりに千葉まで夜釣りに行ったりしてました。

ーそういう意味では、大島さんにとって<ダイワ>は馴染みのあるブランドですよね?

大島:そうですね。もちろん知ってましたけど、あくまでフィッシングブランドとしてです。

ー金子さんと西野さんはどうですか?

金子:大島さんと同じで、フィッシングブランドとしては誰もが知ってるイメージかな。

西野:そうですね。釣りをやってない人でも知ってるレベルだと思います。





ー<ダイワ ピア39>はどういう流れで始まったんですか?

中田:<ダイワ>は業界ナンバーワンの釣具メーカーです。ただ、これからは釣りに馴染みがある世代だけじゃなくて、もっと新しい世代や層にアプローチしたいというお話をいただいたので、やりましょう! と。もちろん、ちょうど釣りへの関心が高まりつつあるタイミングだったことや、<ダイワ>の素材や生産背景を見て、これは面白いものができるんじゃないかなってワクワクしたことも、一緒にお取り組みさせていただくきっかけとしてありますね。

ー1stコレクション(2020春夏)を拝見していると、ミリタリーの要素が強いというか、良い意味で釣りウェアっぽくないアイテムが多い印象を受けました。ものづくりを始める上で意識された部分は何でしょうか?

中田:単純にハイテクなギアということではなく、あくまで普段着、そして普段着なんだけど釣りができるというアプローチですね。今までは釣りのための服だったのが、釣りができる普段着というものに変えて作ろうと思いました。

ー街と釣りの垣根をなくす感覚ですね。

中田:そうですね。結局、釣りの服って機能美だと思っていて、用の美が一番重要だとすると、機能美と用の美を一番表現しているファッションって何だろう? って考えたときに、やっぱり“ミリタリー”だなって。


ーたしかに、釣りとミリタリーって相性がいい気がします。

中田:そうなんです。釣りの文化とヘビーデューティな時代背景とミリタリーウェアを融合させたら、新しいフィッシングウェアができそうだなって。それで、70年代のサンフランシスコをテーマにデザインを進めていきました。<ダイワ ピア39>の“ピア39”も、サンフランシスコのフィッシャーマンズ・ワーフにある桟橋で観光地なんですけど、街と自然がちょうど交差する場所という意味でネーミングしています。

ーなるほど。そのミリタリーの部分は、2021年春夏コレクションにも踏襲されているんでしょうか?

中田:はい。1stシーズンはとにかく分かりやすいものにしたかったので、ミリタリー全開で、ファッション的なアプローチとしてはカラーリングを意識しました。オレンジやサックスブルーといった、ハッピーなミリタリーウェアがイメージですね。新シーズンはそれをブラッシュアップして、アメカジ要素を強くしたコレクションにしています。


ー「WEEKEND」のみなさんが、今回別注アイテムを作る前に<ダイワ ピア39>のアイテムを見た印象はどうでしたか?

金子:やっぱり釣りのことを知らないので、釣り目線でのディテールがどうとかは分からないんですけども、それを除いても日常に取り入れられるウェアだなという印象を受けました。逆に、ディテールの意味を知ることが、釣りに興味を持つきっかけにもなり得るのかなと。

ー西野さんはいかがですか?

西野:僕もデイリーに使えるなっていうのが第一印象です。それと、僕も釣りのことは分からないですけど、“このディテールはこのためにある”みたいな、ディテールにまつわるストーリーがすごい好きなので、そういうポイントが随所に散りばめられているところにグッときました。なので、ファッション好きな人はもちろん、釣り好きな人にも受け入れられる服だと思います。

大島:西野さんの補足みたいな感じですけど、いい意味で釣りらしさがないのがいいですね。<ダイワ>の服って聞くと、ファッションとは無縁なイメージさえありますけど、<ダイワ ピア39>は、シルエットも今どきだし、デザインもそう。本当に広く受け入れられそうな気がします。


ーそして、今回リリースされる「THE WEEKEND FISHING CLUB」。完成までの経緯を教えてください。

金子:これに関しては単純明快です。みんなで展示会にお邪魔して、とにかくそれぞれが好きなものを着て選んで、最終的に全員が一緒だったものをベースに作ろうと。

西野:それがこの5型ですね。

ーなるほど。それぞれのベースはインラインにあるわけですが、どういうふうにアレンジを加えているんでしょうか?

西野:パンツに関していうと、ベースはニッカーパンツで丈が短かったんですけど、僕らはフルレングスが好きなので、ディテールはそのままにして裾を長くしましょうと。シャツは、ボタンダウンの襟型とワークシャツの好きなところを合体させてます。金子さんは本当にシャツにうるさいので(笑)。

金子:ジャケットのカッティングに関してはそのままなのですが、外で着るのであればゴアテックスがいいよねってことで、じゃあ置き換えましょうと。スウェットは伊勢丹さんからのリクエストで、「WEEKEND」のスーベニア感を表現するために作りました。被り物はアウトドアの時でも被れるようにキャップではなくバケットハットにしています。



ー今回の「THE WEEKEND FISHING CLUB」もそうですが、ここ一年、「WEEKEND」を通して、たくさん仲間が増えたんじゃないかなと思います。それこそセレクトショップの垣根を越えての取り組みであったり。

金子:みんないろいろやりたいんですよ、たぶん。それが楽しいことであればなおさらのことで、今後もっと広がっていくだろうなと思います。

中田:より個人が前に立つ時代になったというのも一理あるのかなと。垣根をなくしてどんどん楽しいことをやっていきたいですね!

ー「THE WEEKEND FISHING CLUB」は今回で終わりですか?

金子:もちろん続きますよ! 今回のポップアップイベントを始め、普段出会わない人たちと出会うと思うので、またそこから新しいことを仕掛けていけたらいいなと思います。

ー楽しみにしてます! みなさん今日はありがとうございました。


(左から)インラインのジャングルファティーグジャケットをゴアテックス仕様にアレンジしたテック・ジャングル・ファティーグ・ジャケット。ブラック、グレー、ネイビーの3色展開。72,600円。

今回の別注のために作られたゴアテックス仕様のゴアテックス・インフィニアム・テック・ポケット・ハット。ブラック、グレー、ネイビーの3色展開。8,250円。

色落ちしないスウェットをコンセプトに化繊100%で作られた起毛素材のテック・スウェット・クルー。ブラック、グレーの2色展開。13,200円。

インラインのニッカーパンツをフルレングス仕様にアレンジしたテック・ミル・ニッカ―。ブラック、カーキ、ネイビーの3色展開。26,400円。

襟周りはワークシャツ、ポケットデザインなどはBDシャツからトレースしたテック・ワーク・シャツ。サックスとストライプの2色展開。16,500円。

□伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー/三越伊勢丹オンラインストア


イベント情報
<DAIWA PIER39/ダイワ ピア39>プロモーション
  • 開催期間:2月17日(水)~2月23日(火)
  • 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー

*店頭販売について、事前抽選や当日抽選を行う場合がございます。詳しくは、メンズコンテンポラリー公式Instagram(@isetanmens_contemporary)をご覧ください。※2月13日(土)配信予定
*「WEEKEND」との別注コレクション「THE WEEKEND FISHING CLUB」は、2月20日(土)より販売開始予定です。
*三越伊勢丹オンラインストアでは、「WEEKEND」別注コレクションを2月20日(土)18時頃より販売開始予定です。
*諸般の事情によりイベントが変更・中止となる場合がございます。予めご了承ください。
*2月19日(金)は本館1階~7階・メンズ館は休館とさせていただきます。
2月19日(金)の営業についてお知らせ
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Photograph:Kensuke Ido
Styling:Tomomichi Kondo
Text:Jun Nakada 

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