2020.10.28 update

Vol.23 鬼塚ネオ(NEONiO) | 「こんなヘンな絵を書くやつもいるのか...よし明日から頑張るか!」となってほしい


伊勢丹新宿店 メンズ館2階 メンズクリエーターズでは、グラフィックデザイナーであり、自身のブランド〈JYUUNANHEART/ジュウナンハート〉を運営する鬼塚ネオ(NEONiO)氏の個展「動き出したら止まらないもの」を11月4日(水)より開催。自身が描くポップなキャラクター達を中心とした原画の展示や販売、Tシャツやキャップなどのファッションアイテムも伊勢丹限定で販売する。

今回のポップアップでは、鬼塚氏が〈UNDERCOVER/アンダーカバー〉在籍時のアーカイブデザインを使用したコラボ商品や、本企画のために制作したグラフィックを使用し〈SUNSEA/サンシー〉とコラボした商品を展開する。

鬼塚氏がなぜ絵を描くようになったのか。そして今回のポップアップでコラボも展開する〈アンダーカバー〉やデザイナー高橋盾氏(ジョニオ)との出会いなどについて伺った。
 
イベント情報
鬼塚ネオ(NEONiO)「動き出したら止まらないもの」
            11月4日(水)~11月24日(火)

            伊勢丹新宿店 メンズ館2階 メンズクリエーターズ

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鬼塚ネオ(NEONiO)

熊本出身。服飾専門学校の文化服装学院通学時より高橋氏に師事し、卒業と同時に〈アンダーカバー〉へ入社。パリコレクションに初参加したスキャブコレクションまで在籍した。その後は自ら立ち上げたブランド〈ジュウナンハート〉の運営をしつつ、〈サンシー〉や〈ノーマティーディー〉へのグラフィック提供も行っている。ファッションに限らず他業界の企業との取り組みも行うなど、活動の幅に制限はない。

 

  なぜ絵を描くようになったのか

――現在はグラフィックデザイナーとして活躍されていますが、入り口は服飾業界だったと聞きました。どういったきっかけで服飾業界に入ったのですか?

「元々服が好きだったり、マンガを描いたり、兄の影響で洋楽を聴いてギターを弾いたりしていたんですけど、
高校生の時、街中で小学生時代の友達とばったり再会してまた一緒に遊ぶようになったんです。当時雑誌『宝島』で連載していた“LAST ORGY 2”という企画でジョニオさん(髙橋盾さん)、NIGO®︎さん、ムラジュンさん(村上淳さん)が各地でクラブイベントをしていて、熊本でもそのイベントが開催されていたのでその仲間と遊びに行ったりしていました。

友達はスケーター、モッズ、50's、ビンテージ、アウトドアと皆それぞれのスタイルがあって、そんな仲間と毎日のように一緒にいたらそのうちに自然とファッションが進路となりました。それで学校を調べて最終的に文化服装学院に入学することになりました。」
 

「4月の入学後すぐ、地元のプロスケーターの先輩のお誘いで運良く〈アンダーカバー〉のファーストコレクションのファッションショーを観ることができました。その時に初めてジョニオさんを紹介していただきました。そこからNOWHEREに遊びに行くようになり、事務所に遊びに行くようになり、6月には〈アンダーカバー〉でお手伝いをするようになったんですよ。」

――文化服装学院を卒業と同時に正式に〈アンダーカバー〉に入社することになるのですが、どういった流れだったのでしょうか。

「自然な流れでした。『入るでしょ?』、『はい』です。ジョニオさんにはよく遊びにも連れていってもらって、本当に毎日が刺激的で楽しかったです。」

――〈アンダーカバー〉のグラフィックなどを手掛けるうえで、気を付けていたことはありましたか。

 
――〈アンダーカバー〉がパリのウィメンズファッションウィークに初参加した年に同社を退社され、ご自身のブランド〈ジュウナンハート〉をスタートさせます。

「ある日元同僚の方から連絡があり、『知り合いが恵比寿でショップを始めるから何か置きませんか?』とお話をいただき、そのタイミングで服を作り始めました。
パリのコレクションに初参加したところで、ひと区切りしたなと思い、〈アンダーカバー〉を辞めました。少しぼぉ~っとしようと思って(笑)。その時期に、元〈アンダーカバー〉の人からショップを始めるから服にグラフィックを描いてほしいと頼まれました。そこでグラフィックをお願いされたのに、絵ではなく服を作っちゃったんです。それが〈ジュウナンハート〉の前身のブランド。違う名義だったのですが、ブランドの基礎にはなったと思います。


 そこからもうひとつのエピソードが。会社を辞めたと同時期に神戸の友人が結婚することになったので、お祝いにスーツを作ったんです。出席がてら東京から神戸までバイクで行こうと思いついたのが地獄の始まり(笑)。バイクも、もうボロかったので100キロも出ないし、走っている途中にガタガタ振動はするし真冬で寒かったし……。そんな旅路の思い出にCDを買ってモチベーションにしていました。

そのCDの曲の歌詞が空耳で何度も聞いて〈ジュウナンハート〉って聞こえていたので旅の思い出と共にブランド名にしました。このブランドは特にテーマも設けてないですし、”自分たちが着たいもの、そして自分たちの定番アイテムを作る”というシンプルなコンセプトなんですよ。」

 

 地元・熊本県に何かできることを

――鬼塚さんの作品にはポップなキャラクターものもあれば、漫画のひとコマみたいな作風のデザインがある一方、シリアスなグラフィックなども描いていたり、作風がかなり幅広いですよね。


「何かに感動したり、楽しい時もあれば、悲しい時もある。そういった日常が題材となります。その題材をスタイルに落とし込むというよりは題材と相談しながら描くことが多いので自然と幅広い作風になります。
 
ただ極力、暗いものにはならないように、なるべく明るい雰囲気の絵を描くようにしています。普段は思いついたことをスケッチブックに書き溜めて、ネタ帳の様にして、そこから作品のアイデアを構成していきます。スケッチブックも特別、持ち歩くわけではなく、家に帰ってきて思い出しながらバーッと殴り書きするみたいな感じが多いですね。」


――鬼塚さんはどういったプロセスで絵を描いているのですか。

「まずは鉛筆で紙に下書きをして、そのあとその絵をPCに取り込みます。そこからパソコン上で作業して、大まかな構成を組み上げて色付けまで完成させます。そこからまた紙に戻って、筆で色を付けていく……という感じで流れていくことが多いです。PCだと10分でできる作業も、実際の筆だととてつもない時間がかかります。『え、4時間塗ってこれだけ?...え?まじ...よ、よじ...一生かかるかも...。』という感じです。愛着も沸くので 個人的にはそこがまたいいと思っています。


PCの色付けはどこか均一になってしまうので、なかなか味が出にくい。その点、筆だと色をひとつひとつ重ねていくので均一にならない。もちろん、一長一短はあると思いますが、色の重なり方は筆のほうが味わい深いものに仕上がりますね。」

――今回のポップアップを記念してLINEスタンプにもなる“半眼クマ”はどのようにして生まれたのでしょう。


「2016年に自分の地元である熊本県で大きな地震が発生しました。その時にいくつか絵を描きその中には熊本城の復興を手伝うクマの絵もありました。

そしてこのコロナ禍で資料の整理中にその復興を後押しするクマを見て、今年の7月の熊本豪雨とリンクしだしました。球磨川の土手...熊本城の石垣...横わたるクマ...涅槃像...半眼で...物資を運ぶ車...石垣の花は必死で情報収集し合って川は角の生えたドクロ...夜明けの太陽が...とストーリーを膨らませながら絵を完成させました。」

 ――〈アンダーカバー〉と〈サンシー〉とのコラボアイテムも伊勢丹限定で発売されるんですよね。
 
「はい、ジョニオさんはもちろん、〈サンシー〉の米山さん夫妻にもいつもお世話になっています。尊敬している方々に協力してもらえるのは本当に心強いですね。素敵なアイテムに仕上がっていると思いますので是非、チェックしてほしいです。」

 ――今後はどんな活動をしていきたいですか。

「一緒に仕事ができて結果も出たし楽しかったよと言ってもらえるような活動をしたいです。流れに身を任せてできた〈ジュウナンハート〉も過去に僕を作ってくださった皆さんに感謝しながら誰かの喜びになれるように愛着の沸くものを作れたらいいなと思います。」


イベント情報
鬼塚ネオ(NEONiO)「動き出したら止まらないもの」
            11月4日(水)~11月24日(火)

          伊勢丹新宿店 メンズ館2階 メンズクリエーターズ
 
※今回の個展を記念して作られたLINEスタンプ「半眼クマ」は11月7日(土)発売開始予定
 
Text:YASUYUKI USHIJIMA(NO-TECH)
Photo:TAGAWA YUTARO(CEKAI)

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