2020.07.16 update

【特集】伊勢丹バイヤーが注目する2020年最新メンズサンダルは？

夏の装いを涼しげに演出して気分を上げてくれるサンダルが、今年もバリエーション豊富に登場。高機能スポーツサンダルの進化形から、リゾート感溢れるサンダル、正統な革靴の系譜から生まれたクラシックサンダルまで、シーン別に履きこなしてほしい一足を、伊勢丹新宿店メンズ館の田畑智康バイヤーがナビゲートする。「毎年、夏休みは旅行へ行っていたのに……」という人も、今年は身近な場所に楽園（リゾート）を見つけて、休日を満喫して欲しい。

6年目を迎えた「ワールドサンダルマーケット」で伝えたいこと

──2015年に始まったワールドサンダルマーケットも今年で早6年目を迎えました。

これまでの夏とは少し状況が変わった2020年のワールドサンダルマーケットは、「One mile Resort～身近な楽園を満喫する～」がテーマです。コロナ禍によって行動が制限されているからこそ、自宅のバルコニーや庭、近所の公園など、身近な場所が大切な人たちと楽しく過ごす場所（＝リゾート）になるようにと、今夏はそんな願いを込めながら、Balcony（バルコニー）、Park（パーク）、City（シティ）、Lounge Terrace（ラウンジテラス）の4つのシーンを想定して、国内外10の国から30ブランドを揃えました。

たとえば、自宅のベランダや庭で植栽を整えたり、家族でBBQ、公園を散策するときに履きたい機能派サンダルから、スニーカー感覚で街履きできるサンダル、ホテルやレストランなどドレスアップしたシーンの足元に似合うレザーサンダルまで、メンズサンダルのラインナップは実に多彩です。なかなか遠出ができない今だからこそ、毎日のTPOに合わせて、季節感を味わえる一足を手にして欲しいですね。

30ブランド300種類から厳選、伊勢丹バイヤーのサンダル選び

──今年は例年にも増して多種多様なサンダルが集まりましたね。今年注目しているブランドやスタイルを教えて下さい。

ここ数年、アウトドアや街履きだけでなく、ご近所履き＝ワンマイル的にサンダルを履きこなす方が増えていますが、個人的に注目してるのが、スニーカーブランドから登場しているサンダルです。長く履いていても疲れにくい最新テクノロジーを搭載したソールのメリットを取り入れながら、ブランドならではのデザイン性を活かしたサンダルは、足元の存在感も抜群です。

〈フラワーマウンテン〉サンダル14,300円

〈ヨーク〉サンダル30,800円

特に海外からの評価も高い〈Flower MOUNTAIN/フラワーマウンテン〉は、コットンとネオプレーン素材を使用し、足あたりがソフトで快適、ラバーソールが生み出す履き心地の良さはオススメです。また、ビブラム社のシャークソールを採用した〈YOAK/ヨーク〉のサンダルは、インソールとライニングにスニーカー同様の豚革を使用していて雰囲気の良い一足に仕上がっていますね。

──スライダーサンダルやリカバリーサンダルのような”リラックス履き”できるものが引き続き人気ですね。

左：〈カラハン〉サンダル16,500円
右：〈オニツカ〉サンダル33,000円

スライダーサンダルは、近年、メンズサンダルのアイコン的存在になっていますよね。スポーツブランドのそれに加えて、スペイン発のスニーカーブランド〈CallagHan/カラハン＞や、〈ONITSUKA/オニツカ〉にも注目しています。

〈オカバシ〉サンダル3,960円

またリカバリーサンダルもファッションアイテムとして広く認知されるようになりましたが、アメリカを代表するサンダルブランドである〈OKABASHI/オカバシ〉のコンフォート性は群を抜いています。適度に重いので振り子の原理で歩けるのと、アーチサポートによる体重配分を考え抜いた構造は、サンダルでは唯一、ACA（米国カイロプラクティック協会）のお墨付きをを受けているほどです。

──今回はクラシックなレザーサンダルにも注力していますね。

世界に名だたる靴産地で生まれたサンダルは、レザーの品質はもちろん、本格仕様に由来する履き心地の良さが特徴です。靴下とのコーディネート次第で、様々なシーンで使えるのも魅力ですよね。

左：〈パラブーツ〉サンダル37,400円
右：〈ルカイアキーニ〉サンダル25,300円

なかでもグルカサンダルは、例年に増してそのバリエーションを増やしています。〈Church's/チャーチ〉や〈F.LLI.GIACOMETTI/フラテッリジャコメッティ〉を代表に、私が入門編として推奨したいのは、〈Paraboot/パラブーツ〉です。自社製のラバーソールを使用し、しっかり足を固定させる構造がありながら、スニーカー感覚の履き心地を兼ね備えています。

また、個人的には〈LUCA IACHINI/ルカイアキーニ〉にも注目したいですね。こちらはイタリアの靴産業の中心地、マルケ生まれのブランドです。フットベットなどに使われているレザーのクオリティは本格紳士靴と遜色なく、ドレスアップした足元でもバランスよく履きこなすことができます。無駄を省くことで極力シンプルに仕上げたデザイン性も好みですね。

──最後はやはり、ワールドサンダルマーケット定番の二大ブランドですね。

〈ISLAND SLIPPER/アイランドスリッパ〉と〈BIRKENSTOCK/ビルケンシュトック〉は、外せないですね。

〈ビルケンシュトック〉
サンダル左：19,800円、右：17,600円

特に〈ビルケンシュトック〉は、定番モデルやEVAシリーズはもちろんですが、新作の登場も見逃してはいけません。人気モデルの「Arizona（アリゾナ）」に、軽くて屈曲性の良い2種類のマテリアルを成型したアクティブなアウトソールを使用した新モデルは、これまでのEVAソールよりも柔軟性に優れているので、軽快に履きこなせます。羽織りを連想させるアッパーデザインの「Kyoto（キョウト）」は、自由にフィット感を調整でき、安定したホールド感が歩行をしっかりとサポートしてくれます。

〈アイランドスリッパ〉サンダル各17,600円

また〈アイランドスリッパ〉は、昨年以上にデザイン・カラーバリエーションを拡大。定番のトングタイプやシャワサンタイプ、素材もさまざまで約45種類と、リピーターの多いファンを飽きさせないラインナップになっているはずです。

田畑智康
たばたもとやす●伊勢丹新宿店メンズ館地下1階=紳士靴バイヤー。2006年入社の15年目。うち14年間で紳士靴を担当。地域店やプライベートブランドのバイヤー、セールスマネージャーを経て現職。お客さまもスタイリストも心から楽しめるお買場をつくることが今の目標。座右の銘は「我が人生、後悔先に立たず」。今を精一杯楽しみ、生きる事がモットー。

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