2018.05.30 update

【イベントレポート】各業界のインフルエンサーがオーナーを務める一夜限定のサロン「B SALON」にクリエイティブユニットAmPmが登場

ビジネスパーソンに向けて機能的なアイテムを提案する、ニューヨーク発のバッグブランド<マンハッタン ポーテージ ブラック レーベル>が、各界のトップランナーを招き、お酒を片手にトークセッションを愉しむサロン型イベント「B SALON」がこの程、伊勢丹新宿店メンズ館で初めて開かれた。

同ブランドの直営店を中心に開催され、通算で6回目を迎えた本イベントのゲストオーナーは、覆面クリエイティブユニット「AmPm」。音楽配信サービスSpotifyで作品を発表し、異例のスピードで世界的に知られるようになったデジタル時代の新星が、これまでの制作活動やその裏舞台を語ってくれた。

AmPm
デザインと音楽の企画・制作を行う会社の経営者であるふたりが結成した、覆面のクリエイティブユニット。2017年3月にデビューシングル「Best part of us」は、1年足らずして音楽配信サービスSpotifyで再生回数1000万回を突破。同社のバイラルチャートで全米6位を獲得し、Spotifyがアジアで初めて開催する音楽ライブイベント『Spotify on stage』に日本代表として出演。またマイアミで開催される世界的ダンス音楽フェス『ウルトラ ミュージックフェスティバル 2017』にも参加。NYでの単独公演も行った。アフロジャックなどの他のアーティスト作品のリミックスも手がけている。http://ampm.tokyo/


──実は今回が世界初のトークショーだとのことですが、まず、どこからつこんでいいのか……。おふたりとも、同じうさぎモチーフのお面を被っていますが、それぞれ何とお呼びすればよいですか?
左 
お客さんから見ていただいて、左側にいる僕は“左”、右側にいる彼は“右”でお願いします。
右 本名がわからなければOK。別にTシャツの色で、“白”と“黒”と読んでいただいても大丈夫です(笑)。

──お名前以外、どのあたりまで素性を明らかにされているのですか?
正直、いろんなインタヴューを受けて自分たちでも分かんなくなっちゃってます(笑)。まあ、実際に左の私は34歳で埼玉県出身ですし、右の彼は新潟県の39歳。ともにB型で既婚者です。

──覆面でミステリアスな印象でしたが、出身地と年齢がわかるとすごく人間味を感じますね(笑)。ところで人気が出たきっかけが、Spotifyだったと。具体的には?

はい。僕たちは、2017年の3月に出したシングル『Best part of us』でデビューしたのですが、これがSpotifyのバイラルチャートでアメリカで6位、グローバルで38位にランクインしたんです。
バイラルチャートは、いわゆる音楽作品の売上ではなく、再生数やシェア数、SNSでの反響などを分析してランク付けされたもの。その評価を受けたことで、より多くの方に認知されました。

──デビューが約1年前。ずっと音楽活動を?
左 いえ、右はフリーランスでデザインを、僕は音楽のプロデュースやイベントの企画など、それぞれ別々の事業をやっていました。それが、ある時、一緒にビジネスをやろうとなった。その記念として、それぞれデザインと音楽を組み合わせたコラボプロジェクトができたらいいねという話になり、そのひとつとしてAmPmが始まった形ですね。
右 出会い自体は、15〜16年前。デザインを始めるまえに僕は洋服の販売員をやっていて、実は、左がお客さんでした。差し入れをいただいたり、ショップで服も売らずにおしゃべりしたり。そして、“今度、ご飯行こうよ”となって。
左 当時は、一緒に仕事をするとは思わなかったし、まさかお面を被るとは(笑)。

──そのお面についてお聞きしたいのですが、今はうさぎモチーフ。以前はシロクマだったとか。
はい。シロクマも2バージョンあって、一番初めは、お正月に上野で買ったもの。まだAmPmという名前も決まってない頃で、どう展開していこうか構想中だった時、雑貨屋でこのお面を見つけたんです。その時に、“お面かぶってやれるのもアリかな”って思いついた。
次のバージョンは、お面ではなくぬいぐるみタイプ。ちょうど『Best part of us』をリリースして、さすがに上野で買ったお面ではまずいなってなり、特注でぬいぐるみの被り物を作ったんです。日本にシロクマ専門の着ぐるみを作っている方がいて。CMや動物園で使われる着ぐるみなどは、その人がほとんど制作している。


──ちなみに、おいくらくらいするもの?
1つ20万円くらい。
はじめのシロクマのお面は600円くらいだったから、だいぶ値段は上がってますが、実は2回くらいしか被ってなくて。今は会社に眠ってます(笑)。
今使っているうさぎは、ラトビアに住んでいる仮面を作っている作家にオーダーしました。二つで送料込みで15万円くらい。


──“送料込み”というのは現地で購入して持ち帰ったのではなく、ネットオーダー?
そう、メールで。すごく便利(笑)。次のお面もこの作家さんに頼んでいて、犬バージョンがすでに仕上がってます。今年、戌年なので(笑)。

──あ、そういう理由だったんですね(笑)。お面として一番に入っているものは?
安定感として、いま被っているものが一番いいですね。パフォーマンスしても息苦しくない。先ほどシロクマの着ぐるみは2回くらいしか着用していないと言いましたが、正直、死にかけたんです(笑)。口のあたりに切り込みが入っていて、そこから息を吸うのですが、そもそもライブを前提にした作りではないので。しかも、使ったうちの1回は、真夏のジャカルタ!
そのライブは、Spotifyがアジアで初めておこなったイベントで、アジア中から素晴らしいアーティストが来ていて、会場がかなり盛り上がっていました。悲しいのは、その着ぐるみ、暑いだけじゃなく、ほとんど見えないんですね。目の部分に一応ガラス玉が入っているんだけど、湾曲してきちんと視認できない。会場でプレイしているものの、“こんなにお客さんが来てたんだ”ってあとで写真や映像をみて知りました(笑)。
この時、帰りの空港でもハプニングがあって。主催のSpotifyの方から記念としてAmPmの写真が入りパネルをいただいて持ち帰ることになったんです。が、梱包するものを持っていなくて、やむおえずパネルをそのまま抱えて空港に。そうしたら、関税職員の方に、“あれ、君たちAmPm?”みたいな。

──素顔がバレちゃったんですね!
右 
町中に、イベントの広告が出ていたので、AmPmを知っていたみたい。で、一緒に、記念撮影もしました。

──制作スタイルについて質問させてください。作品はおふたりが歌っているわけでないないんですよね?
右 
はい。『Best part of us』のときは、マイケルカネコというシンガーを起用しました。女性ヴォーカリストを起用することもあります。マイケルカネコは、YOUTUBEで見つけて。そしてすぐにFacebookでコンタクトを取りました。ちょうど彼がアメリカから帰って来て、日本で活動をはじめた時期。自信はあるんだけどなかなか評価をされずに悩んでいたようで、タイミングも良かった。今も歌い手や演奏家探しのために、あらゆるSNSや動画音楽配信サービスはチェックしています。また人から紹介してもらったり。また今はマッチングサイトもたくさんあるのでそこから探すこともありますね。


左 AmPmのプロデューサー、ディレクターというのが我々。そもそもAmPmはふたりのデュオとは言っておらず、クリエイティブユニットとしています。僕たちよりも素晴らしいパフォーマンスができて、AmPmの世界観にハマる人がいれば、その人にプレイしてもらってもかまわない。コードもいわゆるトラックメーカーといわれるような作曲家に作ってもらっていますし、ギターが必要ならば、ギタリストを呼んでレコーディングをする。その時にその都度チームを変える。もちろん、そのスタイルは、他のミュージシャンの方には失礼かなって思ったのですが、多くの方が、“気にしなくていいじゃん”って。
もっと言えば、僕たちがステージに立たない時も。去年、アメリカのマイアミで開かれている『ウルトラ ミュージック フェスティバル』にも参加しましたが、この時、同じ仮面を被っていますが、中身の人間が違うんです。“左”の彼はステージに立っていなく、知り合いのDJが仮面を被ってプレイしています。
ちなみに、『ウルトラ』の時も僕は会場にはいたんです。で、何をやっていたかというと、スチルカメラマン。あとは水を渡したり(笑)。

──本場マイアミの『ウルトラ』でのお客さんの反応はどうでしたか?
ステージは盛り上がりましたね。ただ、そのあと客席のブースなどをブラブラして遊んでたんですが、ジャカルタの時のように声をかけられたり、寄って来てハグされるってことはなかった。“もっと売れなきゃ!”って思いましたね(笑)。
そのあと、NYのSpotifyのオフィスに行く機会があり、そのタイミングで単独公演もやったんです。正直、このスピード感で音楽を作って配信して、ライブまでやるということまでを考えていなかったので、特にライブパフォーマンスに関しては、アップデートの必要性を痛感しています。

──音楽コンテンツとしては、今後どういうことを考えていますか?
右 
ひとつは、今まで英語の楽曲が多かったので、他の言語でもできればいいなとは思っていますね。世界の音楽マーケットをみても、今、スペイン語やポルトガル語のボリュームゾーンが大きくなっていますし、世界の人口を考えると中国語も外せないなと。
左 もちろん、それはビジネスだけでなく、発音しかり音楽的な面白さもありますね。日本語も、方言とか面白いかも。その言語に合わせて、歌い手も変わるというのも表現的に有効かもしれません。

──ところでマンハッタンポーテージはNYのスタイルにインスパイアされたものづくりを展開しています。AmPm もNYのシーンに影響を受けたとか。
デビュー前に、ふたりでNYに行ったんですね。その時、『SLEEP NO MORE』という古いホテルを一館まるごと使って行われている演劇にハマったんです。椅子に座ってステージを観るのではなく、好きな配役の演者に観客自身がついていき、3時間くらい館内を移動しながら、演劇が進む。そのコンセプトや表現方法が面白いなって。それはAmPmのひとつのきっかけになっているのは確かですね。


──マンハッタンポーテージ ブラックレベールのバッグを愛用いただいていると聞きましたが、使い心地はどうですか?
僕はバックパック。本当は黒を買いに行ったのですが、このベージュの色合いが新鮮で、惹かれました。結構な頻度で使っています。というのも、このバック、AmPmのお面を入れるのに丁度良い(笑)。マチがしっかりあって、開口部も広くて、大きいものをスッと入れられる。かさばるお面の収納に最適。
僕は、黒のメッセンジャー。表地にうっすらと迷彩柄が入ったデザインに一目惚れして。僕の場合、移動が多く、しかも移動中に、資料を出して確認しなければいけないようなケースが頻繁にある。そうしたシーンにおいてもこのメッセンジャーは優秀ですね。実はマンハッタンポーテージって、“赤タグ”のイメージ。実際に、高校生や大学生の時に赤タグを使っていましたが、この年齢でも持てるバッグというのも嬉しいですね。

──コラボバッグを作るとしたら、どんなことしたいですか?
そうですね。移動が多いので、“移動”ということを徹底的に考えた商品開発をしたいですね。
個人的には、われわれの創作とNYという都市は、切っても切れない関係だと思っています。旅や国をテーマに、マンハッタンポーテージさんの楽曲を一緒に作るのも素敵かなと。東京のフィルターをいれて、日本やNYのアーティストと一緒にセッションしてみたり。

──それはスゴい! 最後に、AmPmとしての目標地点を教えてください。
右 
AmPmの世界観を表現するコンテンツとして、音楽以外でも様々な企画を進めています。例えばファッションだったり。究極的には、その集合体として、一つのテーマパークを作りたいですね。
左 夜は泊まって、朝、帰れるみたいな。AmPmって午前午後の意味。世界のほとんど人が知っている言葉です。世界の誰もが朝も夜も24時間、楽しんでいただけるような、AmPmならではのコンテンツを発信していきたいですね。


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メンズ館地下1階=紳士鞄
03-3352-1111(大代表)