2018.09.15 update

【動画】矢部克已×ナポリの新世代クリエーターたち|vol.2 ニコラ・ラダーノ──ナポリからやってきた23歳の新鋭(1/2)

若きクリエーターたちが提案する新しいナポリスタイルに注目するイセタンメンズ。ビジネススタイルにも「スーツの必然性がない時代」だからこそ、本当に必要な場面でスーツを着る、好きだからネクタイを締める、Tシャツやポロシャツよりシャツが好きという「自主的にスーツスタイルを愉しむ」ことが新鮮だ。熱い思いがこもったものづくりに取り組むナポリの若きサルトの個性とお客さまの個性がメンズ館で出会って、お客さま一人ひとりのために仕立てられた服を纏うことから、新しい時代が見えてくる。


イベント情報

<スパッカ ネアポリス>オーダー会

□9月21日(金)・22日(土)各日10時30分~6時
□メンズ館5階=ビジネスクロージング


2018年3月下旬に伊勢丹メンズでは初となるオーダー会を開催したネクタイブランド<Spacca Neapolis/スパッカ ネアポリス>。ファッション雑誌『MEN'S Precious(メンズプレシャス)』(小学館刊)のエグゼクティブ・ファッションエディター矢部克已さんが、ブランドを主宰する弱冠23歳のニコラ・ラダーノ氏に、ものづくりの特徴などを伺った。


自分を温かく迎え入れてくれたサルトリア


<スパッカ ネアポリス>は、ナポリらしい軽い仕立ての三つ巻き(大剣と小剣に裏地を使用せず、縁を細かく縫い上げる縫製仕様)ネクタイを中心としたブランド。昔のアーカイブをモチーフに彼がデザインした生地も魅力的で、いわば「古い技術を新しくする」のは<ルカグラシア>を主宰するルカと近い感性を持っている。オーダー会のネクタイは、幅と長さのほかに、セッテピエゲと三つ巻きも選ぶことができた。

矢部 ニコラさんのプロフィールを教えてください。
ニコラ 1995年生まれの23歳です。ナポリの近くの町で生まれました。ファッションの世界では4年目になりますが、仕事というより楽しみたいと思って始めました。祖父と父親が<マリネッラ>のネクタイのコレクターで、自分もクラシックなものに惹かれました。
矢部 ご家庭の影響があるんですね。


ニコラ ファッションが持つパッションを楽しみ、表現したいとブログをスタートした5年前は学生で、昨年卒業しました。アルチザン(職人)には難しい人が多くて、技術を教えてほしいと若造が行くと煙たがられるものですが、そんな中で自分を温かく迎え入れてくれたのが<サルトリア・チャルディ>でした。
矢部 ナポリの中でも特徴的なサルトリアですね。
ニコラ 学校が終わると<チャルディ>の工房へ行って話をしました。そして初めてスミズーラのパンツを作りました。パンツが出来上がると、父のネクタイコレクションの中からフレッシュなものを選んでコーディネートしていました。

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