岡田岳樹さん

セオリーを覆したワイナリー


「日本人だからこそワイン造りに固定観念がないのが、私の強みだと思います」。静かにそう語る岡田さんは、北海道の大学に進学後、関心のあったワイン醸造を学びにアメリカへ。卒業後、注目の産地として台頭しつつあったニュージーランドへ向かいました。そして、2010年に独立するとその造り方が注目を集めます。

「一番の特徴が、水をあげずにぶどうを栽培しているところです。私のいるエリアは乾燥しているので基本的にはみんな水をあげて育てているのですが、ヨーロッパではあげない地域もありますし、私も必要ないと考えていました」。周りと違う造り方をすることで、ニュージーランドワインらしくない味わいに仕上がり、結果その個性が話題に。今ではそのやり方の真似をする醸造所も現れたといいます。


ニュージーランドのソーヴィニヨンブランとしては香りが控えめながら、口の中でのボリューム感がありどんな料理にも合わせやすい1本。

〈フォリウム ヴィンヤード〉
ソーヴィニヨン ブラン リザーヴ 2016(ニュージーランド製/白/750ml) 4,536円
■本館地下1階=食料品/グランド カーヴ

実はフランスワインの味わいが好きだという岡田さんのワインは、ニュージーランドにもフランスにも偏らない、まさに中間のような味わい。「ベストと思う方法を取り入れながら、この地でできる最良のものを造っていきたい」と語りつつも「気負うと疲れちゃいますけどね」と柔軟でチャーミングな人柄が味わいから伝わってきます。