2017.06.28 update

<浅草靴誂>│名門タンナーの上質素材を用いて5万円台でオーダーできる!“国産グッド”の優秀靴(1/2)

06.28 Wed -07.11 Tue
伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階 紳士靴
「靴職人だった親父が惚れ込んで買ったイタリア・イルチア社の革は、クリームがスーッと入っていくんですよ」と原皮を広げて熱く語る<浅草靴誂>を手がける宮崎製靴の代表、宮崎太郎氏。2009年にブランドとしてスタートし、昨秋よりメンズ館地下1階=紳士靴でも展開を開始した同ブランド。6月28日(水)からは<浅草靴誂>初のパターンオーダー会が開催。イルチア社のデッドストックの革を含めた4種類の素材とデザイン3種、さらに2種類の底材を組み合わせてのオーダーが可能だ。


<浅草靴誂>を手がける宮崎製靴の宮崎太郎社長

「浅草で逸品を誂える」という想いを込めたブランド名


<浅草靴誂/あさくさかちょう>は、靴作りの聖地である「浅草」と、熟練職人が靴を誂えるというイメージから生まれた造語「靴誂(かちょう)」を組み合わせ、日本製グッドイヤーウェルト製法にこだわったブランド。履き心地の良さと流行に左右されない普遍的なデザインにこだわりながら、低価格に抑えた靴は、日本のビジネスマンの強い味方だ。

同ブランドを手がける宮崎製靴の宮崎太郎氏に、グッドイヤーウェルト製法にこだわる理由を尋ねると、「第一は頑丈さですね。しっかりした革を使って、掬(すく)い縫いと出(だ)し縫いという2度の縫いの工程を経て底付けをするので、ちょっとした雨なら大丈夫。オールソールで修理もできるので、大事にクリームを塗って履いているお客さまの靴は新品同様にきれいになります」と答える。



宮崎製靴は、業界内でもよく知られた靴ファクトリーで、宮崎氏は2代目。古くから名だたるブランドのOEMを数多く手がけ、秋田県仙北郡に30人の職人を抱える自社工場を構える。

「先代の父は中学を卒業後、靴職人に丁稚奉公し、職人として20歳で独立。かなり苦労して会社を興しましたが、親父は『良い素材と良い作りの“良い靴”が最終的には得なんだよ』と言っていました」と宮崎氏。

また、宮崎製靴は、グッドイヤーウェルト製法にこだわりながら、新素材を取り入れるなど、新しい試みにも数々トライ。「グッドイヤーウェルト製法の靴は、クッション材として練りコルクを使用しますが、コルクは劣化しやすく足の形なりに沈み込むので、弊社では衝撃吸収に優れた高反発スポンジを採用。快適に歩くために理にかなったものは積極的に取り入れます」という。