美術館としても楽しめる?!サロン ド シマジ

今回はサロン内にある一枚の絵画についてのエピソードをご紹介したいと思います。



島地氏が週刊プレイボーイの編集者時代、柴田錬三郎先生と横尾忠則画伯がタッグを組み連載された「うろつき夜太」を担当していました。
連載終了後に横尾画伯から「感謝の気持ちだ。どれか好きな画を一枚あげるよ。」と言われ頂いた画だそうです。

「横尾さんにあげると言われ、迷わずこの画を選んだんだ。横尾さんも俺も一番気に入っていたものだからね。連載を始めるにあたって両先生には一年間ホテルにカンヅメになっていただいた。この画はホテルの池がモデルなんだが画伯はどうしても蛇を描き加えたいと言い出した。それで俺は動物図鑑を持って部屋に伺ったら、本物でないと描けないと言うんだ。寒い真冬の夜だ。俺はすぐに部屋を出て、秋葉原あたりにあった蛇料理屋に頭を下げて、なんとか縞柄の蛇を一匹譲ってもらえた。そいつを持って戻ると、画伯は驚き、感動してくれてこの画ができたんだ。」

そんなエピソードがあったとは…居合わせたお客さま方も驚きのご様子です。

「まだあるよ。ある日1000万でこの画を売ってくれという人が現れた。俺は断固として売らなかった。大切なものだからね。それを画伯に言うと『もったいない!同じ画をもう一枚描くから売って500万ずつ分ければよかったのに!』と言われ二人で大笑いしたな。この画を観ると担当していた頃を思い出してやる気が出てくる。この画のおかげでこのサロンも美術館に見えるな。」


今週の格言
横尾忠則画伯の原画があるだけでここはまさに美術館だ


そういわれると額縁に入っている1つ1つが気になってきました…。今度それは島地氏に直接聞くとしましょう。


今週のお酒はバルヴェニー12年。スペイサイドのモルトの中でも最も貴族的な魅力的で蜂蜜のような味わいが特徴です。




プロフィール - 島地勝彦


メンズ館8階=イセタンメンズレジデンス<サロン ド シマジ>のプロデューサー。1941年生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」に配属され、1983年に同紙編集長に就任、柴田 錬三郎・今 東光・開高健を回答者に据えた「人生相談」で一世を風靡し100万部雑誌に育て上げる。その後、「PLAYBOY日本版」「BART」の編集長を歴任。集英社インターナショナルの代表取締役を経て、2008年に退任。現在は作家・エッセイストに転向。

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