テーマは"ピンポン"、世界最大のファッション見本市"PITTI"現地レポート


紳士服飾の祭典。今シーズンのテーマはピンポン

ピッティ・イマージネ・ウオモは1940年代にイタリアはフィレンツェで始まった紳士服飾の総合見本市であり、祭典だ。中世に建造されたパッソ要塞には1000のブランドが出展、世界から3万人のバイヤーやジャーナリストが訪れる。毎回、そのときどきの空気を反映したテーマを設けるトレードショーがバイク、ロックに続いて今シーズン俎上に載せたのはピンポン。老若男女、世界で親しまれるピンポンをテーマとすることでファッションが本来そなえている楽しさ、親しみやすさを表現している。それは鎧のような芯地、ヘビーウェイトのファブリックとの決別を宣言し、堅苦しさから解放されたメンズクロージングの潮流ともぴたりと符合しているのである。


130にのぼるブランドの新作が一堂に

世界を見渡しても稀な圧倒的物量で、どこよりもはやくピッティでお披露目された新作がずらりと揃う。ブランド総数はおよそ130にのぼる。期間限定はもちろん、日本初上陸ブランドのス・ミズーラも。ピッティ一色に染まった館内のヴィジュアルも見どころだ。フロアを埋め尽くすのは、ピンポンをイメージしたポップ&ピッティが公式本として認定した谷本ヨーコが描き下ろしたスタイルブック、ピッティ・ピープル(ピー・エヌ・エヌ新社)のイラスト。スペシャルフォトスポットを設置したエントランス、一押しの新作が果物さながらひしめくメルカート(市場)を模したプロモーションブース、イタリアのキーパーソンをインタビューした映像も必見だ。


 ブルー&ダブルブレスト

今シーズンの著しい特徴は、ブルーの復権である。男のワードローブに欠かせないカラーだが、そのカラーがそなえるクリーンな印象があらためて時代背景にリンクしたのだ。これを際立たせるためなのか、ピッティ・ピープルのあいだではトーンオントーンがとくに目立った。そこに足す色はせいぜいホワイト。禁欲的な色使いはこよなくモダンで品がある。現地を訪れたバイヤーによれば、目を惹く御仁はだいたい3色以内にとどめていたという。ブルーが見直され、再燃したファブリックがデニム素材やシャンブレー。着こなしにこなれ感が生まれるファブリックであり、クリーンとリラックスという二大トレンドを体現するデニムは押えておいて損はないだろう。




そこには啓蒙的な意味合いもあるが、リコメンドしているもうひとつがダブルブレストジャケットだ。メンズファッションシーンの一翼を担っているはずの日本にあって、このアイテムが浸透しているとはいいがたい現状はなんとも惜しい。ピッティ・ピープルにおいてはあるいはシングルブレスト以上に大切なアイテムである。男の色香をたたえた重厚感があり、コンパクトなサイジングを手に入れつつ、ジャージーやパイルといったコンフォタブルなファブリックをまとったそれはかつての野暮ったさもきれいさっぱり払拭している。ビジネスシーンはもとより、ドレスアップしたいウィークエンドの一着としても、これほどしっくり来るアイテムはそうはない。



PITTI IMMAGINE UOMO 86 at ISETAN MEN’S


THE GIGI ザ ジジ
いま、もっとも旬なクロージング。メンズファッションシーンを牽引した元ボリオリのデザイナー、ピエルイジ・ボリオリが満を持して立ち上げた新機軸。そのほとんどを一からつくり上げた、フィルクーペやサマーツイードといった表面感のあるファブリックを押し出したコレクションはファーストシーズンから洒落者を虜に。ブランド名は彼の愛称からとったもの。


LOTTUSSE ロトゥセ
日本初上陸を果たすスペインの名門シューメーカー
日本に初めてお目見えする、1877年に創業したマヨルカ島の老舗。鮮やかなスエードやアンラインドが象徴するリラックスとソフィスティケイトが高度な次元で融合した佇まいは、地中海の自然とメゾンのOEM生産によって育まれた感性、技術の賜物だ。期間中購入された先着30名様にスペシャルシューケアセットをプレゼント。


SPIEWAK スピワック
戦う男を唸らせた機能服の第二ステージ
軍隊や警察を顧客にもつアメリカのミリタリーウェアの名門、スピワック。注目はプレステージラインのゴールデンフリースから登場するデッドストック生地を使ったモッズパーカ、日本発サイクルカジュアルアパレルのナリフリとコラボレートし、ピッティの話題を席巻したジャケット。“男服”の進むべき方向性を示してくれる。

TOMBOLINI トンボリーニ
イタリア最後の大物ファクトリーブランド
今年50周年を迎えるイタリア最後の大物。無重力を謳うモデル、ゼロ グラヴティのアドバンテージはその名のとおり、200グラムを切るオリジナルファブリックと老練の職人技がもたらす立体的なコンストラクションが生む圧倒的に軽やかな着心地だ。伊勢丹新宿店では7日と8日にわたり、本国スタッフを招き、ス・ミズーラを催す。


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