新しい「エッセンシャル」な靴下を作る旅。バイヤー木村、奈良~和歌山出張レポート1日目|ISETAN MEN'S Buyer’s blog 木村 円香 vol.1
今回は、伊勢丹新宿店 メンズ館 地下1階 肌着・靴下・ナイティ のバイヤーを務める木村 円香。
素材や着心地を重視するお客さまが増えているメンズ館。その声に応えるべく、“日常に寄り添う上質なベーシックなアイテム”を集約した──「イセタンメンズエッセンシャル」を追求するため、奈良~和歌山へ。靴下企画やスウェット開発の現場で得た体験をレポートします。
今回の2泊3日の奈良~和歌山出張は、お客さまの声を起点にお取組先と同じ目線で「いいモノづくり」を深めるための旅。1日目は、奈良県のメイン訪問先・三岡繊維さんでの現地レポートです。
三岡繊維さんは、伊勢丹メンズのPB(プライベートブランド)<イセタンメンズ>のベストセラー、ハイゲージのビジネス靴下を手がける工場です。
ブランドと工場の強みを生かした「エッセンシャル」なリブ靴下
肌着担当になってからずっと、伊勢丹メンズ館で人気の靴下ブランド<シックストックス>の強みを生かしたファッションとしての”リブソックス”を、三岡繊維さんのこだわり抜いた高い技術と重ねながら製品化したいという思いがありました。今回この取組を提案させていただき、<シックストックス>の染谷さんにも同行いただく出張が実現しました。
26年春夏からの展開を目指し、靴下の厚みや丈の長さ、糸のバリエーションを見せていただき、細かく検討していきます。
厚みへのこだわりは靴との合わせや履き心地に、糸の種類や色へのこだわりは足元の印象に繋がり、一つ一つの小さなこだわりが積み重なって、ようやく満足のいく一足の靴下が出来上がります。
各々のこだわりを話し合う時間は、私にとっても大きな学びになりました。
商談が終わると、いよいよ工場の中へ移動します。
最新の編み機から、今ではほとんどここにしかないという古い編み機までが整然と管理されいて、その迫力に圧倒されました。
靴下編み機の針は、細く繊細になるので、ほこりや温度・湿度への管理も徹底されていて、洋服の編み機と比べても、かなり気遣いや手間をかけながら作られているのだと驚きました。
ここでは編み地や質感などを具体的に打合せ。梅本さんは、糸の種類や編み機の調整で、どう変わるかを即座に言語化してくださる方で、この界隈でも、豊富な知識で信頼されてる方。私の「ここをもっとこういう仕上がりに出来ますか?」にも具体的な打ち手で返してくださり、同じ編み機でも知識と経験が刻み込まれた人でなければ作れない、技術力がモノづくりに欠かせないのだと実感しました。
今回のリクエストをもとにサンプルを作っていただく予定で、今から待ち遠しいです。
そして、三岡繊維さんの象徴的な技術「ハンドリンキング」を見させていただきました。靴下のつま先を一目一目、手でつないでいく高度で繊細な作業を間近に見ることができ、思わず息をのみました。
仕上がりの検品も、一足ずつ型にはめて糸ずれや波打ちがないか目視で確かめる丁寧さ。効率だけでは省かれがちな工程に手を抜かない姿勢に、モノづくりの根っこを見た気がします。
一足の靴下にどれほどの手間と技術が注がれているのかをこの目で見て、この丁寧さはお客さまにも必ず価値として伝わるのだと実感。3者のこだわりが詰まった「エッセンシャル」なリブ靴下、メンズ館で展開される日を楽しみにしていてください。
お客さまの声にいちばん近い「エッセンシャル」を、現場の皆さまと同じ目線で形にしていく旅の1日目。三岡繊維さん以外にも、今後の企画や取組みに繋がる有意義な訪問ができました。形になってきた段階でまたご報告できればと思います。
次は2日目のレポートをお届け予定です。お楽しみに。
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