2022.07.29 update

【連載】伊勢丹バイヤー・杉田修平が通う、美味しさがプラスオンする「クラフトビール×カレー」|イセタンメンズ散歩


SPICY FOOD&BEER in HOT SUMMER!――例年になく早い梅雨明けで、2022年の夏真っ盛りです。夏といえばビール、ビールといえばスパイシーなカレーということで、伊勢丹新宿店 メンズ館4階を担当するバイヤー・杉田修平が最近足繁く通っている店が「両方絶品!」という情報をキャッチ。ビール好きもカレー好きも、飲んで食べてまた行きたくなる、東京・高円寺の「アンドビール」に伺いました。


Profile
安藤耕史氏・祐理子氏
アンドビール(運営会社:合同会社カンパイ日和)
ビールと美味しいご飯と旅が大好きな夫婦が高円寺で始めた「アンドビール」。【東京・高円寺】と【山梨・勝沼】の2拠点にてクラフトビールの醸造所を営んでおり、都心とローカルを旅するマイクロブルワリーならではのアイデア、原料づかい、コラボレーションで、他にないような魅力を生み出すこと目指している。
Instagram @andbeer_koenji
宮田 サラ氏
株式会社まめくらし/代表・高円寺アパートメント/女将
岡山県出身。株式会社まめくらしで、「アンドビール」が入居している高円寺アパートメントの運営を行い、“女将”として自身も暮らしながら、コミュニティづくりに取り組んでいる。1階の店舗兼住宅エリアでは雑貨店『まめくらし研究所』を展開。アンドビールの常連、安藤ご夫妻の友人で、「体は半分アンドビールでできている」と笑う。
Instagram @mamekurashi_kenkyujo
杉田 修平
伊勢丹新宿店 メンズ館4階 メンズラグジュアリー / バイヤー
2014年 ㈱三越伊勢丹入社以来、時代を切り開く常に最先端のクリエーションを提案するフロア・メンズクリエーターズで販売やバイイングを経験し、2022年より現職に。趣味のファッションも食も、他者評価に捉われず、こだわりをもって自身にとって”良いもの”を選び抜く。「アンドビールはこれまで妻と4~5回通っています」


  1. 自家製ビールとスパイスカレーの両方が美味しいって幸せです
  2. 旅行して、ご飯を食べて、ビールを飲んで、店で出すという好循環
  3. 「私の身体はアンドビールでできています」という宮田サラさん登場!
  4. ファッションみたいな自由度がカレーにもビールにもあっていい




自家製ビールとスパイスカレーの両方が美味しいって幸せです


高円寺駅から阿佐ヶ谷駅方面に線路下のガード(高円寺ストリート)をまっすぐ徒歩約10分。旧国鉄の社宅をリノベーションしたアパートの1階にあるのが、「自家製ビール×スパイスカレー」で人気のアンドビールです。芝生を敷きつめた白い建物が、晴天の日中なら青空に映えて、緑×白×青の鮮やかなコントラストは、絵に描いたアメリカ西海岸のよう。

ビール大好きの奥様、安藤祐理子さんがビールを造り、カレーに魅せられたご主人、安藤耕史さんがカレーを作りますが、二人に共通しているのは根っからの“旅好き”。取材日も耕史さんがベトナム2週間の旅から帰ったばかりで、翌週から祐理子さんがクラフトビールの本場・アメリカへ旅立つそう。ビールもカレーもお二人の好奇心と想像力の賜物で、まさに“旅するクラフトビール×カレー”です。

杉田修平(以下、杉田) 自家製のクラフトビールとカレーという組み合わせの店はありそうでなくて、アンドビールは居心地も良くて最高です。お二人はどういうきっかけでお店を始められたんですか。


安藤耕史(以下、耕史) 自分は料理が好きで、学生時代にスリランカに行ったり、中米・南米を一周したりして、大学の研究も「海外の食文化」でした。イベント会場などで現地で教わったカレーやタコスを作って売ったりしていましたが、妻の祐理子と出会ったのも僕のカレーを食べたのがきっかけでした。卒業後、会社勤めをしていましたが、二人で「いつかBrewPub(ブリューパブ=小規模のビール醸造所と飲食ができる店)をやりたいね」と話していました。

安藤祐理子(以下、祐理子) 私はビールを飲むのが好きで、高円寺にビールを造っているブリュワリーがあるのを知って見に行きました。小さなスペースで造っているのを見て衝撃を受けて、「ビールって造れるんだ、自分でも」と思い、ビール造りを調べ始めたのがきっかけです。

アンドビール 醸造所

杉田 耕史さんのカレー作りと、祐理子さんのビール造りはシンクロするんですか?

祐理子 ビールのレシピを考えるときに、「何と食べたい、どう飲みたい」というのは考えますが、マリアージュ的なことは特別考えませんね。季節感は大事にしていますが。

耕史 店では毎日4種類のカレーと、6~8種類のクラフトビールが飲めますが、お客さんの方がペアリングに詳しいです。店側では提案のようなことは特にしていませんね。

祐理子 カレーは日替わりで週に20種類ほど作り、ビールも月に4~5種類は新しいビールをリリースするので、組み合わせは無限です。店に来て好きな味を探してほしいし、発見してほしいので、あまり縛られずに造っています。

杉田 お店に来て、お客さん一人で、カレー4種がけ、ビール3種飲み比べをしているのを見ると、「豪遊しているなぁ」って思います(笑)。カレーとビールをかけ算して、自分だけの好みを見つけるのは楽しいですよね。



旅行して、ご飯を食べて、ビールを飲んで、店で出すという好循環


杉田
祐理子さんの造るビールに、いわゆる"定番"はありますか?

祐理子 これまでに200種類以上造っていますが、特に定番はありません。広島・呉のレモンや山梨の桃やブドウを使ったり、クランベリーを使ったビールもあります。

杉田 これまでで一番変わったビールは何ですか?

祐理子 そうですね、ヒノキを使ったビールを造りましたが、ヒノキ風呂を囓っているような味でした(笑)。

杉田 ヒノキ風呂を囓ってる! 飲んでみたいですね。これまで自信作ってありますか。

祐理子 まだ納得できるビールはないですね。ビールは香り、素材選び、フルーツとのコラボなど、なんでもできます。今、木樽に2年間ほど寝かす「バレルエイジド」を初めて仕込んでいて、出来上がりが楽しみです。


杉田 耕史さんはカレー作りで何を大切にされていますか。

耕史 毎日4種類のカレーを店で出していますが、カレーとお米の一体感を大事にしています。カレーは自分が食べた引き出しの中から現地っぽい味を目指して作り、お米は日本米、玄米、インドのお米などをチョイスします。即興で作るカレーもあって、書き出したらたぶん数百種類は作ってきましたね。

杉田 数百種類のカレーが耕史さんのアタマの中にあるわけですね。好きなスパイスは何ですか。

耕史 何周も回って(笑)、コリアンダーが普通に好きです。何にでも合う、縁の下の力持ちですね。最近は、「少ないスパイスで美味しく作る」のが面白いので、2~3種類のスパイスで豆のカレーを作ったりします。

杉田 アンドビールのカレーは副菜もスパイスが多彩に効いていて、一皿の中で何通りも味わえるのが好きです。

祐理子 お隣の「まめくらし研究所」の宮田さんが来たので、夏にピッタリのサワータイプのすっぱいビールをお出しします。パイナップルを囓ってるぐらいの柑橘感が楽しめますよ。


「私の身体はアンドビールでできています」という宮田サラさん登場!


宮田サラ(以下、宮田) 初めまして。アンドビールの隣りで「まめくらし研究所」という雑貨屋をやっていて、この高円寺アパートメント全体の「女将(おかみ)」として運営をしている宮田です。

まめくらし研究所

祐理子 このアパートの若女将で(笑)、住宅のコミュニティー運営など広く活躍されています。

杉田 いただいたビール、本当にすっぱいですね。でも喉ごしが爽やかです。お隣さんということは、宮田さんはアンドビールのことを知り尽くしていますね。


宮田 毎日カレーが違うので、毎日来れちゃいます(笑)。お腹が空いて隣りに来れば美味しいカレーが食べられて、その隣りがコーヒー屋さんなので、おやつにコーヒーを飲んで、夜になったらビールとおつまみを食べてと、まさに“私の食卓”ですね。

杉田 こういうコミュニティーに美味しい店があると、食べに来ると誰かしらいて、みんなのリビングダイニングのようでしょうね。

宮田 一度豪雨の日があって、アンドビールに来たらこのアパートの住人が集まっていて、本当に「開いてて良かった」って思ったことがあります。この場所は高円寺と阿佐ヶ谷のちょうど中間で、どちらも街イベントが盛んですが、高円寺フェス・阿佐ヶ谷のジャズストリート・七夕などと、ゆるやかに繋がりながら、点が面になるような開かれたコミュニティーを育てていきたいなと考えています。


ファッションみたいな自由度がカレーにもビールにもあっていい

耕史 杉田さん、今日のカレーは「スリランカチキン」と「塩麹(こうじ)レモン鶏キーマ」です。2種掛けでいいですか。

杉田 妻と一緒に来ると、2種がけを2つ頼んで、その日の4種類全部を食べるのが楽しみです。今日は2種類で我慢します(笑)。ビールは、2番の「Step by step」をお願いします。

祐理子 「Step by step」は、今までやってこなかった“一つの種類のホップだけを使ったビール”です。1番のベリー色ビール「Cranberry Milk Shake IPA」もお薦めです。

今日のカレー「スリランカチキン」「塩麹レモン鶏キーマ」2種掛け
自家製ビール「Step by step」


杉田 いただきます! スリランカチキンは、辛みが強いですがサラサラしていて、スカッとするキレのあるスパイシーな味ですね。こってり感やボテッとした感じがなくて、食べ終わったらさっぱりしますが、後から辛みが追いかけてきます。塩麹レモン鶏キーマは、カレーというか何というか、新しい感覚のキーマで、麹の塩梅でさっぱり食べられます。

耕史 塩麹レモン鶏キーマは店で初登場です。すっぱめでサラッとした夏カレーですが、今度いつ作るかわからないので、“一期一会のカレー”ですね。

ポテトサラダ
自家製ビール「Cranberry Milk Shake IPA」

杉田 ポテトサラダのサンマと梅が新鮮な組み合わせで、ビールのお供に最高です。

祐理子 杉田さんのお仕事のファッションバイヤーはどんな視点が必要ですか。

杉田 今はメンズ館4階 メンズラグジュアリーのバイヤーをしていますが、いわゆるメゾンといわれるブランドは、パリコレやミラノのファッションショーでとても挑戦的なことをしています。そういう挑戦やそこから受ける刺激は、ファッションで一番大事で、一番楽しい部分です。耕史さんと祐理子さんの話を聞いていると、いわゆるカレー屋やクラフトビールは世の中に星の数ほどありますが、お二人が現状に甘えず“挑戦”を表現していることに共感できるし、それを楽しんでいるように見えました。ファッションみたいな自由度がカレーにもビールにもあっていいですね。

耕史 私たちも世界を旅しながら、いつでも「発見・出合い・共感」です。

杉田 アンドビールの「こうあるべき、ではなくて、これはどう?」という姿勢は、ファッションに通じるものがあります。今日はごちそうさまでした!



  • 撮影協力

    アンドビール
    東京都杉並区高円寺北4-2-24 アールリエット高円寺 A棟 105
    080-5913-8241
    月・水・木・金 午前11時30分~午後2時,午後5時~午後10時
    土・日 午前11時30分~午後10時
    火曜定休(祝日除く)

    まめくらし研究所
    東京都杉並区高円寺北4-2-24 アールリエット高円寺 A棟 104
    03-6822-8735
    午前10時~午後6時
    月・火曜定休(祝日は営業)