クセが強いナポリスーツをオフィスで着こなすひと工夫




林原一樹
メンズ館地下1階=バッグ&ラゲッジ アシスタントマーチャンダイザー

ストライプのネイビースーツはナポリのサルト、<ルカ グラシア>のもの。20代でナポリスーツとは少々背伸びし た感があるが、クセの強いサルトリアナポレターノの新鋭から、ビジネスにも着られる抑えめの色柄を選びだ せたのは掘り出しものだ。シャツもネクタイもブルー系で統一したことで、ドレスコードに厳しいオフィスで もナポリスーツが着られることを証明できている。

普段はポケットチーフはしないことが多いという。これも高価なスーツを澄ました印象に見せないための心遣 いか。その分、特別なときには白のリネンのチーフを挿すことで、いつもとは違った雰囲気を演出できる。自分の心持ちはもちろん、周りも違った目で見てくれるだろう。


バッグ&ラゲッジの担当というので、このスーツに持つ鞄は? と振ってみると、<アカーテ>というブランド名が即座に挙がった。「クラッチバッグを抱えるぐらいが軽快で良いのでは」と明確だ。この手のスタイリングにリュックを背負ったビジネスマンを街中で見かけることが多いのだが、やはり正統派のスーツには手に提げる正統な鞄が似合う。

メンズ館に配属当初から「どうせ着るなら、いいものを」と信じて、年齢に囚われず少し背伸びしたブランド選びを心がけてきた。若いうちから本格派のスーツに慣れ親しんでおくことは、かならずや将来の糧になるに違いない。 




■「V-STYLE」──1分で学べる紳士の遊び Vol.9