2018.07.10 update

【対談】『ルパン三世』の世界観と大野雄二サウンドに魅せられた、粋なふたりのコラボレーション(1/2)

2016年のセンセーショナルな初開催以来、回を重ねるごとに人気もスケールも拡大し続ける、『ルパン三世』と伊勢丹新宿店のコラボレーション。第3弾となる今年は「#ルパンの夏祭り」と題し、ジャズライブやミステリーイベントの開催、期間限定レストランのオープン、スペシャルなファッションアイテムやグッズ、レコードの販売など、衣食住遊にまつわる全方位的で魅力的な企画が目白押しだ。


<アップルバム>CEOの坂口宗生さん(左)とヒップホップ界のカリスマ、“King Of Diggin’”ことDJ MUROさん(右)

そこで今回ピックアップするのは、『ルパン三世』世代としてそのスタイル形成に大きな影響を受けたというお二人、人気ブランド<APPLEBUM/アップルバム>のCEOである坂口宗生さんと、ヒップホップ界のカリスマ、“King Of Diggin’”ことDJ MUROさん。30年来の旧知の間柄だからこそ実現した、夢のコラボ企画の全容に迫る!

イベント情報 

ISETAN×ルパン三世 #ルパンの夏祭り

□7月18日(水)~23日(月) *最終日午後6時終了
□本館6階=催物場


7月18日(水)より、本館6階=催物場で開催する「ISETAN×ルパン三世 #ルパンの夏祭り」で展開あれるTシャツと7inchアナログレコード。商品の詳細は次ページにて。

共鳴し合う、ヒップホップ育ちの二人の才能


ルーツミュージックをもとにヒップホップが生まれたように、ヒップホップカルチャーをベースに1990年代のトーキョーで培ってきたエッジィな“感覚”を、大人にふさわしいクールなデザインとして服作りに落とし込む。そんな人気ブランドの<アップルバム>、『ルパン三世』、伊勢丹との三者コラボとなれば、注目度の高さは言わずもがなだ。自身も『ルパン三世』の世界観やキャラクター、音楽に強い影響を受けたという坂口さんは、CEOとして同ブランドのディレクションを手がけるとともに、今回のコラボ企画を主導。「洋服やグッズだけでなく、音楽ネタもやりたい!」という氏の強いリクエストによって、親交の深いMURO氏の参加が決定したのだという。

「ストーリーや映像のスタイリッシュさはもちろんのこと、大野雄二さんという偉大なクリエイターが創り上げたサウンドも、『ルパン三世』の世界観を形作る大切な要素。そして、大きな魅力でもあると思います。私は10代の頃、このMUROさんからヒップホップという音楽とカルチャーのカッコよさを学ばせていただき、自分らしさを築き上げてきました。そこで今なお色褪せない大野さんの素晴らしいサウンドを、MUROさんというスペシャルな“フィルター”を通して世に伝える。そんなことができたら最高じゃないかと考えたんです」


実はMUROさんにとっても、『ルパン三世』は特別なもの。坂口さんからのラブコールも「まさに願ったり叶ったり」で、ふたつ返事でOKしたのだとか。

「小学生の頃にリアルタイムで観ていた思い出のアニメ。夕方の再放送も、当時一緒に暮らしていたおじいちゃんと一緒にいつも楽しみにしていました。夕飯の支度はルパンが始まる前に終わらせる感じで。だから僕にとって『ルパン三世』は、味噌汁の匂いがする作品なんですよ(笑)」

ルパンというキャラクターに、理想のヒーロー像を見出していたMUROさんは、「それまでの正義の味方のイメージとは、なにもかも根本的に違っていました。ある意味悪役なのにカッコいいというのはすごく刺激的でしたし、やっぱり憧れですよね」とも語る。

「私はMUROさんより少し下の世代なのですが……」という坂口さんも、やはりリアルタイムで観ていたそう。


「まだ幼かったのでストーリーをそこまで深くは理解できていなかったかもしれませんが、クルマやピストルから感じる“男の世界”というか、ヨーロッパの香りというか……。音楽も今振り返ってみると本当に独創的で、他とは明らかに違っていましたね。とても強い影響を受けたと思っています」

今回のイベントに向け、坂口さんはTシャツやキャップなどのファッションアイテムやiPhoneケース、そしてMUROさんは限定盤のリミックス7inch アナログレコードを制作。ヒップホップマインドあふれる、洗練された洋服やグッズ。そしてジャズ界のレジェンド大野さんによる原曲を、ヒップホップ界のレジェンドMUROさんがリミックスした楽曲。どちらも期待せずにはいられないスペシャルアイテムだ。

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