ブライドルレザーの名門、ベイカー社の皮革の魅力


気に入ったものは長く愛用してほしいという想いから、堅牢性ある作りにこだわり、アフターケアにも力を入れているという<ワイルドスワンズ>。エイジング(経年変化)をお楽しみいただけるのはもちろん、手に取ればわかる質感豊かな革本来の表情を楽しめるのも同ブランドの魅力だ。


例えば、山田氏が現在使用中だという多機能コインケース「TONGUE(タング)」は、イギリスの伝説的なタンナー、ベイカー社の希少な「フルグレインブライドルレザー」を使用。「使い始めてまだ3ヵ月ですが、しっかり時間をかけて鞣(なめ)されているので、コシが抜けないし、変なキズが付かないのが気に入っています。タンニン鞣しの革の良し悪しの見分け方は、触ったときにミシミシ、キュッキュッと音がするのが“良い革の証し”です。」と解説。


「ベイカー社は、近年希少となっている肉厚の原皮を採用するタンナーで今回の企画では『スティラップバット』という馬具の鐙(あぶみ)部分に使われる目的で作られた革を使用しています。鐙は、騎手の全体重がかかる部分なので、その負担に耐えられるようロウ分とオイルがぎっちり詰め込まれています。エイジングが好きな方にはたまらない革の一つです」と説明する。

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