ロックンロール史上、間違いなく最も重要な人物だと思う


――死後のデヴィッド・ボウイ人気を見て感じることは?

死後ますます注目され、評価が高まっているのは驚きではありません。彼が作ったものは音楽だけにとどまらず、ファッション、アートなど多岐にわたっているのは、回顧展「DAVID BOWIE is」を見ればわかるとおり。特に彼の生前のインタビューは本当に面白くて、人間的な魅力に満ちあふれています。

僕は彼に近いので、どうしても贔屓目で見てしまいますが、ロックンロール史上、最も重要な人物だと思うし、音楽でもとにかく幅広い活動をしていました。

デヴィッドがバンド「Tin Machine(ティン・マシーン)」(1988-92)を始めてライブを観に行ったとき、「ミックどう思う?」と訊かれて、「あ、いいんじゃない?」って答えたけど、正直僕は、みんなボウイを観に来てるんじゃん(笑)と思いました。彼は単純にバンドをやりたかっただけだと思いますが。

――今ここにデヴィッドが現れたら、何て声をかけますか?

「これだけ時が経っても素晴らしいモノを当時作っていたというのを、僕は想像できなかった。君は分かっていたのかもしれないけど」


73年当時、イギリスで山本寛斎の衣装を着ていた彼は脅威を感じさせた

――ミックさんが、デヴィッドから教わったものを一つ教えてください。

それはたくさんあるけど、ファインダー越しに僕の感性を研ぎ澄まさせてくれた。彼に魅了され続けたし、彼の催眠術にかかったぐらい濃厚な時を一緒に過ごしました。

デヴィッドは周りを励まし、周りに良い影響を与えてくれる人で、誰と仕事してもその人の才能を引き出す才能があった。バンドのメンバー、スタッフ、スタイリスト、プロデューサーまで、まるで「サーカスの団長」のように率いていた。

そして盟友たちである、モット・ザ・フープル、ルー・リード、イギー・ポップ、リンゼイ・ケンプ、ミック・ロンソン……、彼らを世に知れ渡らせたのもデヴィッドの功績。自分も含めてね。

あと、彼は勇気があったね。73年当時、保守的なイギリスであの山本寛斎の衣装を着てステージに立っていたのは、世の大人たちに脅威を感じさせた。


MICK ROCK(ミック・ロック)
デヴィッド・ボウイ、ルー・リード、イギ―・ポップ、クイーン、デビー・ハリー、セックス・ピストルズ、ラモーンズ、などアイコニックなイメージを多く手がけたことから、「70年代を写した男」の異名を取る、伝説にして今なお現役で活躍するロック・フォトグラファー。
ロンドン生まれ、ニューヨーク在住。デヴィッド・ボウイの写真のみならずミュージック・ビデオ「ジョン、アイム・オンリー・ダンシング」、「ジーン・ジニー」、「スぺース・オディティ」、「ライフ・オン・マーズ」のプロデュースと監督も務める。今もファレルやスヌープ・ドッグ、ダフト・パンクなど現代のミュージック・アイコンたちを撮り続けている。

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DAVID BOWIE is IN FASHION
□開催中~3月28日(火)
□メンズ館1階、2階、8階
メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンスでは、ミック・ロックの写真集『The Rise of David Bowie, 1972-1973』に収録された200点の写真の中から、お好みの写真が購入できます。写真はミック・ロックのサインとエディションナンバー入りで、6種類のサイズから選べるスペシャルオファーも実現します。

Photo:Suzuki Shimpei

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