時計の中のサロン ド シマジ

「今日はこれがいいかな」


ガラス戸を引き開けシマジ先生が取り出したのはOBANと書かれたボトル。
「スコットランドで免許を受けた蒸留所では最古のひとつです。
オーバンと読むのですが、ある女性のお客様が「なによあれ、オバンって書いてあるじゃない!」と機嫌を損ねてしまったことがあります」
そういって先生はお客様を笑わせました。

今週のおすすめのお酒はオーバン14年。ドライでスッキリとした味わいはモルト中級者におすすめです。



ボトルを戻そうと伸ばした先生の左手には、オリジナルの腕時計が嵌っています。


文字盤を見せて頂くと、カウンターの上にシングルモルトのボトル、
そして「遊戯三昧」の書…なんと時計の中に小さなサロンドシマジがオープンしているのではありませんか。
これは、手作り時計職人の増田精一郎氏が手掛けたもの。


ショップではサロン時計の他に、半分だけ文字盤の覗ける時計、ルーレット盤があしらわれた逆回りの時計など、
増田氏制作の芸術的な時計が実際に販売されています。カラーや額縁内を変えられるカスタムオーダーも承っております。

「自分だけの手作り時計を持つと、時を支配する王様になった気分に浸れるんだ。まぁどんな時計でも1時間は1時間なんだけどね。と年齢不詳の無邪気な笑顔を見せます。」 

今週の格言 人生の悲劇は記憶の重荷である


時間の奴隷にならず、ゆっくりモルトを楽しみ人生をゆっくり振り返るのもたまには必要かもしれません。

撮影:上原義雄


お知らせ
5月9日(土)サロン ド シマジは誠に勝手ながら4時ラストオーダー、5時閉店とさせていただきます。


プロフィール - 島地勝彦


メンズ館8階=イセタンメンズレジデンス<サロン ド シマジ>のプロデューサー。1941年生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」に配属され、1983年に同紙編集長に就任、柴田 錬三郎・今 東光・開高健を回答者に据えた「人生相談」で一世を風靡し100万部雑誌に育て上げる。その後、「PLAYBOY日本版」「BART」の編集長を歴任。集英社インターナショナルの代表取締役を経て、2008年に退任。現在は作家・エッセイストに転向。

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