2026.10.06 update

<エンツォ ボナフェ>|バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート 福島 成博 vol.4

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

今年6月、イタリア・フィレンツェで第110回「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ イマジネ ウオモ)」が開催されました。会場では各ブランドが提案する次シーズンのトレンドをチェックするとともに、バイヤーが伊勢丹新宿店 メンズ館のお客さまに向けた価値あるブランドやアイテムの買い付け・別注企画・MDリクエストを実施。バイヤー 福島 成博が仕込んできた注目商品をご紹介する企画のラスト、第四弾です。

►過去の記事はこちら

 

  1. 伝統が息づく街、ボローニャへ
  2. 少数精鋭が支える名門工房で、350工程を支える熟練の職人技
  3. 半世紀以上の歴史が培ってきた技術、拘りが詰まったドレス靴について意見交換
  4. ファミリーの絆が受け継ぐ伝統の靴づくり

 

伝統が息づく街、ボローニャへ

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

フィレンツェを後にして、特急電車でボローニャまで約40分。この街にある靴工房へ向かいます。ボローニャは美しい赤レンガの街並みと、世界遺産の屋根付き回廊「ポルティコ」が特徴的な、活気あふれる美しい学園都市。現存する大学の中でも特に長い歴史を持つ大学があり、スパゲティ・ボロネーゼ発祥の地とも言われています。ボローニャ中央駅の駅舎はこぢんまりとしていますが、地下4階まである巨大な迷路のような構造になっていて、出口もわかりにくく、迷いやすい駅として有名です。

 

少数精鋭が支える名門工房で、350工程を支える熟練の職人技

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

「訪れたのは、ボローニャで1963年に創業された靴ブランド<Enzo Bonafe/エンツォ ボナフェ>の工房です。住宅地のなかにポツンとあるファクトリーは、総従業員数30名ほどという決して大きくはない規模。ここで1日に30足ほどの靴を生産しています。随所に職人の手仕事が息づく工房という印象で、良質な靴を作り続けていることが伝わってきます」

 

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート
バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

こちらはファクトリーのなかでソールを削っている職人さん。<エンツォ ボナフェ>の靴は一足あたり約350工程(*)を要するそう。大型の機械もありますが、工程の半分ほどは職人の手作業に頼っています。

* アイテムにより異なります。

 

「ソールを磨き上げるのは熟練した職人の手作業です。前が作業前、奥が作業後。丁寧に磨き上げ、コバを削り、縁を塗ります。工房は少数精鋭だからこそ、品質に妥協のない靴をつくることができるのだと感じました」


ここでも昨今の靴トレンドについてイタリア、日本の状況を情報交換した福島。

「日本ではローファーなどカジュアル系の靴が人気の一方、より良いドレス靴を求めるお客さまもいらっしゃることをお話しすると、ボナフェ側も伝統的な靴作りを継承しながら、お客さまの期待に応えていきたいと考えているとのことでした」

 

半世紀以上の歴史が培ってきた技術、拘りが詰まったドレス靴について意見交換

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

「より良いものを求めるお客さまへ、と紹介してくれたのが、このヒールカウンターのワンピース仕様。一般的な革靴は、ここを割り縫いするように作られていることが多いのですが、ワンピースに仕立てるとなると、高度な吊り込みの技術も要します。ここの工房では、こんなに美しいヒールカップを作ることができるんですね」

 

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

ビスポーク靴などに見られるアウトソールを真っ黒に塗り上げるカラス仕上げは、高級靴ならではの仕様。もちろん、こちらの塗装も職人さんの手作業によるものです。


「お客さまが求める拘り抜いたフォーマルシューズ(ワンピース)について、工房見学や過去のサンプルをもとに意見交換しました。最近では採用が少なくなった仕様も反映したモデル製作について、前向きにご検討いただけるとのことで、2027SSに向けて引き続き一緒にアイデアを深めていきます」

 

ファミリーの絆が受け継ぐ伝統の靴づくり

バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート

 

イタリアブランドはファミリービジネスが多く、<エンツォ ボナフェ>も家族経営です。こちらの中央は創業者 故エンツォ・ボナフェ氏の奥様、グエッリーナさん。いまも木型・型紙・裁断業務に携わる現役の職人です。右は息子さんのマッシモさん、左はいとこのベネデッタさん。


「工房見学と綿密な打ち合わせの後は、ご家族と昼食をご一緒し、靴づくりへの想いについてもたくさんのお話しを聞くことができました。代々受け継がれてきた技術と、それを支える家族の絆。その両方に触れたからこそ“伊勢丹新宿店 メンズ館のお客さまに、本当に価値ある一足を届けたい”という思いが、さらに強くなりました。この工房だからこそ実現できる特別な一足に、ぜひご期待ください」

 

 

プロフィール
福島 成博(ふくしま まさひろ)
新宿紳士商品部 紳士靴・バッグ&ラゲッジ バイヤー
2010年(株)三越伊勢丹入社。紳士靴、鞄、革小物全般の経験を積み、現在は紳士靴、バッグ&ラゲッジのバイヤーを担う。また、趣味はサウナでサウナ施設と銭湯を愛する。

 

Text:Yasuyuki Ikeda
Photograph:Masahiro Fukushima(Isetan Mitsukoshi Ltd. Company)

制作 STUDIO ALTA

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