<シセイ>|バイヤー福島がイタリア出張のリアルをお届け!2026年6月のピッティを現地レポート 福島 成博 vol.3
今年6月、イタリア・フィレンツェで第110回「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ イマジネ ウオモ)」が開催されました。会場では各ブランドが提案する次シーズンのトレンドをチェックするとともに、バイヤーが伊勢丹新宿店 メンズ館のお客さまに向けた価値あるブランドやアイテムの買い付け・別注企画を実施。バイヤー 福島 成博が仕込んできた注目商品をご紹介する企画の第三弾です。
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ピッティ会場を後にして、雄大なアルノ川を眺めながらフィレンツェ左岸へ
世界中からやってきたおしゃれな人たちで溢れているピッティ会場も、夕方5時をすぎると急に閑散としてきます。この後も工房訪問という大切な仕事が残っているので、会場近くの乗り場からトラムに乗って出発します。
「今回訪問したアトリエは、アルノ川の左岸にあります。ピッティ会場やサンタ・マリア・ノヴェッラ教会、ウフィツィ美術館など観光名所が多い右岸とは対照的な、モノ作りの街として知られるフィレンツェらしく、さまざまな工房が立ち並び職人や地元の人たちが行き交う落ち着いた街並みが広がっています。午後7時を回ってもフィレンツェはこの明るさです」
訪れたのは<シセイ>のファクトリー。工房内に並ぶ、人気のトートバッグ
アルノ川沿いの通りから一本入ったところにあるのが、今回の目的地。伊勢丹新宿店 メンズ館でも人気の高いバッグブランド、<Cisei/シセイ>の工房です。
「オーナーでデザイナーの大平智生さんが出迎えてくれました。この時間からでも私を迎え入れてくれるなんて、日本人同士だからかもしれません(笑)」
こちらが午後7時30分の工房。ゆっくり寛ぎながら大平さんと打ち合わせをさせていただきました。右側に並ぶのは<シセイ>でも人気の高い定番トートバッグ。2009年に誕生したロングセラー商品で、このブランドのアイコン的モデルです。サイドのスナップボタンで容量が調節できて、使い込むほどに馴染みがよくなるハンドルには革製の芯が採用されています。
細部へのこだわりがよくわかるのハンドル。丸めたレザーの内側には、内張りと芯材にもレザーが使われています。
「内張りの色が違っていますね。これは表用に使う革を裁断したあまり部分を使っているからです。表裏ともに、高いクオリティの革を使っていることがわかります。最近では多くのメーカーがハンドル芯は化繊の芯材を使っています。大平さんによれば、化繊と本革では馴染み方、劣化の速度がまったく異なるそう。外から見えない部分にも品質を追求するブランドの姿勢を改めて実感しました」
道具や機械にもこだわってこその“味”
「壁に様々な金型が並んでいました。これは工房にあったレザーの型抜き機。私はこれまで数多くの工房を訪問してきましたが、この型抜き機は日本では見たことがありません。フィレンツェのメーカーらしいのですが、大平さんによると、この機械じゃないとバッグの“風合い”が出せないのだそう。<シセイ>のバッグに漂うイタリアの空気感は、道具や機械にもこだわることで生まれるようです」
工房のストックから限定モデルが誕生!?
こちらは工房の奥にあったレザーのストック。フィレンツェに工房を構えているからこそ、上質な革素材が手に入れやすいそう。こちらのストック棚には、いまではもう手に入らない革も。
「ぜひこちらを使ったバッグを2027年秋あたりにレザー博でお披露目したい旨をお伝えすると、ご快諾いただけました。開催時は大平さんも店頭でオーダーイベントの実施を検討いただけるとのこと」
ピッティ会場に用意されたサンプルや素材だけでなく、工房の奥で眠っている貴重な素材と出会えたこと。大平さんのモノ作りに掛ける想いも伝わって、とても充実したひとときを過ごしました。
Text:Yasuyuki Ikeda
Photograph:Masahiro Fukushima(Isetan Mitsukoshi Ltd. Company)
制作 STUDIO ALTA
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