Creators VOICE #3 SPECIAL EDITION ｜ 藤原ヒロシ "the POOL shinjuku"
「プールバーは実現したので、あとはモータープールをやり残してます」
――「the POOL」はなぜ伊勢丹新宿店に？
青山と違うところで新たな作り込みができるという面白さですかね。百貨店とやるなら伊勢丹以外は考えられなかったです。僕らが持っている百貨店のイメージと違う物が伊勢丹にはあって、それが新しい百貨店のイメージになりつつあると思います。以前はトラッドなものしか売っていない、僕たちが欲しいようなものは売っていないイメージがあったのですが、それがセレクトショップのようなイメージに変わったのは伊勢丹の力かなと思います。
――伊勢丹で買い物することはありますか？
ネットなどでも買い物をしますが、打ち合わせなどで時間が空いたときに、メンズ館に寄って、そこでたまたま見つけて買うというのが好きですね。僕自身はほとんど展示会に行かないし、展示会でオーダーして半年後に届くのを待つというのが、嫌なんです。靴でも買ったらすぐにその場で履いて帰りたいタイプ。小さい頃からオモチャを買ってもらったら、帰りのバスで開けては怒られていました...（笑）。
――オープン当日まで今回の「プール（＝ビリヤード）」というテーマは明らかにされませんでしたね。
今回の伊勢丹でのテーマは「POOL（プール）」という言葉から想像されることを僕たちなりに精一杯やったという感じです。架空のプールバーを想定し、黒く塗ったビリヤードテーブルを置いて、そのテーマに関連した商品を中心に展開します。「the POOL shinjuku」のロゴの入った商品も作りました。
――ちょうどプールバーが流行した頃は80年代のロンドンなど、藤原氏のイメージとダブりますね。
スヌーカーとか、＜STUSSY（ステューシー）＞のエイトボールモチーフなど、ファッションには落としやすいテーマですね。いくつかキーワードになるものがあって、それを元にオリジナルや、＜assemble a.k.a. AFFA（アッセンブル エーケーエー エーエフエフエー）＞に＜FPAR (フォーティーパーセントアゲインストライツ)＞、＜LACOSTE（ラコステ）＞や＜ION AUDIO（イオン オーディオ）＞など別注する相手先が決まっていったという形です。
――「the POOL aoyama」で取り組むブランドは以前から藤原さんとの交友が深い印象ですが？
＜STUSSY＞や＜assemble a.k.a. AFFA＞、＜FPAR＞の西山徹君とかは古い付き合いですが、＜AMKK（東信 花樹研究所）＞の東信さんや＜White Moutaineering（ホワイト マウンテニアリング）＞の相澤さんは個人的に付き合いはなくて、「the POOL」で一緒に物を作りはじめたことで、ブランドの意外な一面を知ることが出来ました。たとえば、＜N.holywood（N.ハリウッド）＞はミリタリーやトラッドもののイメージが強かったんですが、意外とロックっぽいものも好きなんだとか。会って話すとすべてではないのですが、共通する部分があって、その場で一緒にやる方向性が決まっていきます。皆さん、自分たちの仕事に対してすごく真面目で、だからブランドが長く続くということなんでしょうね。
――物作りのベースになるものはご自身で着たいアイテムですか？
自分で着るものがシンプルなものが多いので、自然とそうなります。稀に派手なものを着たいと思うこともありますが、基本的にはそうですね。自分が身に付けることが想定できないものを考えるのは得意じゃないですね。
――「the POOL aoyama」を2年で終了することを発表されましたが、「the POOL」で出来ることはやりきったという感じですか？
一つやり残したことがあるんです。「the POOL」は当初から3つアイデアがあって、一つは今回のプールバー。もう一つはモータープール。駐車場の中でお店をやりたいというのが実現できていないんです。伊勢丹さんやらせてくれますかね？車2台分くらいのスペースがあれば良いんですが...。それが出来れば、その時だけ「the POOL」は延長するかもしれません（笑）。
the POOL shinjuku
□2015年6月17日（水）～23日（火）
□本館1階＝ザ・ステージ
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the POOL shinjuku ｜ 6月17日（水）から期間限定ショップがオープン、限定商品も多数展開
Text：野田達哉
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メンズ館2階＝インターナショナル クリエーターズ
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