BLBG株式会社代表取締役 田窪寿保氏に学ぶ、上質旅のつくり方
「自分の価値観を満たす、心地よい時間や空間を味わうこと」こそが、
ラグジュアリーな旅だと田窪寿保氏は語る。
世界中を見てきた“旅の達人”に、その真意と大切な心構えをうかがった。
居心地がよいと感じられる旅からは心の豊かさが得られる
高級車を乗りこなすにも経験や技術が必要なように、ラグジュアリーな世界観やサービスを堪能するには、まず“こなし方”を知る必要があると田窪氏はいう。 「自分もそういう経験と年齢を重ねて、上質な世界観を楽しめるようになってから、旅は見た目の豪華さよりも、居心地のよさが大切だと気づきました。結局、あらゆる面で心の豊かさが得られる旅こそが、ラグジュアリーな旅だと思います。そのために上質なサービスを求めるなら、やはり、それに相応しい立ち居振舞いや、ツールの使い方などを学ぶ必要があるんですよ」
田窪寿保 たくぼ・としやす
1966年東京生まれ。BLBG株式会社代表取締役。ヴァージン・アトランティック航空を経て98年より現職。英国文化に造詣が深い。著書に『ジェームズ・ボンド 仕事の流儀』(講談社)など。
〈グローブ・トロッター〉のトロリーケース
田窪氏が旅へ出かける際の30年来の相棒がグローブ・トロッターだ。ヴァルカン・ファイバーの経年変化を楽しみながら、旅の思い出を共に刻んでいるという。
質の高いサービスを受けるには、上質な空間にマッチする品格のある服装をし、紳士たるマナーを身につけなければ、本当の意味で心の豊かさは得られない。
「旅行に行くと時計と靴はよく見られると言われますが、それと同等に鞄選びは大切です。自分はグローブ・トロッターのラゲッジと30年近く付き合っています。使っていると経年変化で深みが増しますし、目に見えないところのつくりのよさや、主張しないデザインも、英国でよくいわれる“アンダーステイテッド エレガンス”を備えたものだと思います」
ラグジュアリーな旅に持っていくものは、華やかでゴージャスなものでは決してないということだ。
「服に関してもそうですが、きらびやかには見えないけれど、しっかりとその人にフィットしていることが重要です。控えめでも裏地や縫製など、目に見えないところに凝っていて、使う人に馴染んでいる。旅に行くとき身につけるなら、そういうもののほうが心地いいんですよ」
愛用のラゲッジには、自身が所属する英国のカークラブや雑誌のステッカーが貼られている。
よく利用しているお気に入りホテルのアメニティ。旅行の際も重宝する。
田窪寿保氏の華麗なる旅日記
2016