2023.11.08 update

“この足元がいいね”から始まる、靴下スタイリングの新提案

「11」という数字が靴下を2足並べたように見えること、そしてペアを表すことから、11月11日は「靴下の日」とされています。これは日本靴下協会によって1993年に制定されたもので、今年30周年を迎える由緒正しきアニバーサリーデイなのです。そこでメンズ館地下1階靴下売り場でも、この佳き日を盛り上げようと、これまで扱いのなかったスポーツソックスやこだわりブランドといった品揃えにトライしています。そこで担当バイヤーの木村に、新たな試みともいえる品揃えについて話を聞きました。

 

木村円香 伊勢丹新宿店メンズ館地下1階 肌着・靴下・ナイティ バイヤー

 

メンズ館ラグジュアリーブランドショップ、コンテンポラリーカジュアルなどを歴任後、2021年にはコスメティクスバイヤーを経験。今春からは肌着部門のバイヤーに就任。「すべての男性をカッコよくしたい!」と三越伊勢丹に入社以来、メンズファッションをライフスタイルから捉え、外観だけでなく内面からイケてる大人の男性を提案しています。

 

  1. <Sports>日常の足元に本格スポーツソックスの機能性を
    1. <OLENO>プロアスリートのスポーツ機能を採用したウールソックス
    2. <VIBSOX>最新ソックス選びのキーワードは消臭・抗菌の「清潔感」
  2. <Smart Casual>スマートカジュアルに最新の機能を秘めて
    1. <RANGL>快適を求めて研究したL字型ソックス
    2. <YUQRI>「熟練の職人技術」と「最先端技術」をゆっくりと融合
  3. <Dress Up>足元から彩るドレスアップスタイル
    1. <Kiwanda>アバンギャルドでミステリアスなチラ見せ色柄

 

「本格的な競技で履くハイスペックな靴下は、スポーツ専門店で競技ごとにラインナップされていますが、ジムやジョギング、会社帰りのフットサルなどで気軽にスポーツするときの靴下って、どんなものを履いたらいいのかわからないですよね。オフィスカジュアルやジャケパンスタイルの浸透によって、スニーカー通勤を考えた機能的でお洒落な靴下や、フォーマルのドレスコードが拡大していることで足元のお洒落も様々に広がっています。11月11日は、そんな靴下の新しいシーンを提案する試みに取り組むイベントデーにしたいと思っています。」

 

 

オフィスに戻りつつあるとはいえ、在宅勤務もローテーション化し、靴下を履かない日が増えたとも言われますが、再び外出する機会が増えたことで、あらためてソックスを買い替える方も増えています。さらにくるぶし丈のパンツは定着しましたが、かつてのような”ノー靴下”ブームは下火となり、あらためて靴下のお洒落も見直されています。靴とのコーディネートにも新しい提案がされるなど、何気に靴下業界も動いているようです。

 

「ニッティングの技術が進化して精密な柄作りや立体的な編み立てが可能になってきたことも、新しい靴下を生み出す原動力となっています。これまであまり靴下にフォーカスした企画って、みられないと思うのですが、だからこそメンズ館は定番靴下の充実はもちろんですが、新しいことにもチャレンジしていこうと思っています。」

 

意気込む木村バイヤーに、自ら今回の目玉ブランドの靴下について解説してもらいました。スポーツ、カジュアル、ドレスアップの3つのカテゴリーからセレクトした話題作をご覧ください。

 

<Sports>日常の足元に本格スポーツソックスの機能性を

リアルな競技シーンから、日常に溶け込むアクティブなシーンまで、足下にスニーカーを取り入れるスタイリングの際はスポーツソックスを合わせたいところと思います。そこで本格派アスリートも着用するスポーツソックスブランドをピックアップしました。本格的なアスリート仕様の機能性を、日常使いできるカジュアルソックスに落とし込んだコレクションは、伊勢丹新宿店では初お目見えとなるハイパフォーマンスなラインナップです。

 

<OLENO>プロアスリートのスポーツ機能を採用したウールソックス

 

 靴下の聖地・奈良県で創業80年を超える昌和莫大小は「足育」を掲げる靴下専門メーカー。オリジナルブランドの<OLENO/オレノ>はスポーツソックスの機能性を研究し、プロアスリートからビジネスユーザーまで使える本格的なソックス&グッズのブランドです。

 

 

<ニューバランス>スニーカー 31,900円

<オレノ>ソックス 2,530円

 

「パフォーマンス ウール クルー」は、アスリートがソックスに求める機能をカジュアルソックスに落とし込みました。厳選したメリノウールを採用してオールシーズンに対応。アーチサポート部分はコンプレッションを高く、かかと部分は伸縮性に優れるなどパーツごとに編み地を変更することで快適な履き心地も実現しています。

 

つま先は左右対称設計で着用時のフィット性を高めています。つま先の縫い合わせがフラットでゴロつかないようになっているのも細かい気配りですよね。甲部はメッシュ構造になっていて、足底部は高密度パイル地でクッション性を備えました。パーツごとのパネルカラーも個性的で、足首部分にビビッドカラーを採用している点もポイントです。

 

 

アスレジャー風のコーディネートは、スニーカーで合わせるのが定番なので、グレーにオレンジのビタミンカラーを利かせた配色ならスポーツらしさが際立つと思います。くるぶし丈ではく今どきのジョグパンを引き立ててくれるのではないでしょうか。

 

<VIBSOX>最新ソックス選びのキーワードは消臭・抗菌の「清潔感」

 

今年誕生した<VIBSOX/ビブソックス>は、伊勢丹新宿店初登場ブランド。高機能素材「VIBTEX(ビブテックス)」を採用する靴下ブランドで、男性のお洒落に一番大切な「清潔」をキーワードに、消臭、抗菌、防臭効果が洗濯後も持続するソックス作りが話題となっています。

 

「VIBTEX」とは「VIRUS BLOCKING TEXTILE 」いうテクノロジーのことで、国内の繊維メーカーが開発した抗ウイルス加工のこと。繊維に付着した細菌やウイルスなど有害物質を、空気中の酸素と水分と化学反応することで分解を促進するのだそうです。<VIBSOX>はこの技術を使って糸からオリジナルで生産されています。コットン100%の素材は肌当たりがよいことも特長のひとつです。<FreshService>や<BIOTOP>などともコラボ展開されていて、多方面から注目されています。

 

<デイト>スニーカー 39,600円

<ビブソックス>左:ソックス 1,870円 右:ソックス 1,760円

 

足筒部分は程よく緩めにフィットするガーゼ素材の2重仕立て。肌にリブ跡がつきにくく、蒸れたりかゆくなったりすることを軽減します。履き口はリブを2重にしてずり落ち防止も考慮されています。アーチサポートはハイコンプレッション、足底部はパイル地でクッション性を高め、モデルによっては甲部をメッシュ素材にしている点にも、こだわり加減が滲むところ。スポーツに限らず、日常からビジネスカジュアルまで、多様なシーンにフィットしそうです。

 

 

カラーリングに悩みそうな蛍光グリーンのソックスも、ポップなカラーを取り入れたハイテク系のスニーカーなら違和感なく合わせられます。ラグジュアリー&スポーティな足元コーディネートも余裕ですね。

 

<Smart Casual>スマートカジュアルに最新の機能を秘めて

 

近年多様化しているビジネスカジュアルでは、足下は革靴でもスニーカーでもどちらもOKといったオフィスのドレスコードが拡大しています。このような中で革靴にもスニーカーにも合わせられるソックスは、とても重宝すると思います。これから紹介するシンプルで合わせる靴を選ばない汎用性の高いソックスこそ、いまもっとも求められているソックスといえるのではないでしょうか。

 

<RANGL>快適を求めて研究したL字型ソックス

 

 

 昨年誕生した<RANGL/ラングル>は、人間工学に基づいたL字型ソックス。「究極のソックスとは」というテーマを体現すべく、履いていることを忘れてしまうかのような履き心地を追求しました。

足の型に沿ったL字型フォルムと、複数の立体を組み合わせたかかと部分を融合した複雑な構成は、他社では真似のできないニッティングマシンがあってこそ。兵庫県加古川市の自社ファクトリーが製造を手掛けています。

 

<カルミーナ>ビットローファー 58,300円
<ラングル>ソックス 2,970円

 

筒部分は特殊な編みにすることでソフトフィットになっています。足首部分から曲線を描く4段階の編み立てがかかと部分のフィッティングを高めているそうで、この編み立てができる技術はすごく稀少で、穿いた瞬間から心踊るような高揚感と、着用時に足の気持ちを紐解くといわれる、最新の快適感は最新の技術によって生み出されています。

 

 

秋らしいスウェードのローファーには、ポイントカラーになる中肉のソックスが似合いそうです。ラングルはコーディネートしやすいシンプルカラーが揃っているので、こんな合わせ方がオススメです。

 

 

<YUQRI>「熟練の職人技術」と「最先端技術」をゆっくりと融合

 

 ジャパンブランド<YUQRI/ユクリ>は、熟練の職人技術によるモノ作りと最新技術を併せ持つハイブリッドなソックスブランド。「ゆっくり、慌てず、時間を掛けて、丁寧に」をコンセプトに、上質で豊かなものづくりをされています。ソックスの編み立ては稀少な旧式低速織機でゆっくりと行われ、熟練した職人の手による心地よいふんわりパイルの編み心地を実現しました。同時に足底部とアッパーで異なるハイゲージを組み合わせるという最先端の高度な技術も導入されています。これはソックスが主役ではないけれど、脇役として重要な役目を担う、日常に寄り添うアイテムと考えているからこそ、心地よさと安心を提供してくれるものであってほしいという作り手の願いが込められているのです。

 

<フェランテ>ローファー 64,900円
<ユクリ>ソックス 2,530円

 

機能面も最先端です。ユクリ プロテクションは抗菌防臭・消臭・制菌機能を備える機能的な靴下です。さらに足底部には吸着制のある糸を採用することで、滑りやすい革靴のレザーインソールをしっかり掴んでくれます。靴内が滑りやすい革靴が、より履きやすくなる靴下です。

 

 

フランネルのライトグレーパンツにダークカラー系のソックスは足が短く見えてしまうことがあるのでご注意を。そこでおすすめはグレー無地。パンツとくるぶしが一体化して脚長見えする視覚効果が期待できます。

 

<Dress Up>足元から彩るドレスアップスタイル

 

ビジネスはともかくパーティなど華やかなシーンでスーツを着るときには、靴も最上級の革靴を選ぶことと思います。そんなとき靴下はダークカラーの無地と相場が決まっていましたが、いまはもっと自由な色柄選びが可能です。でも探してみると、色柄のドレスソックスは意外とないもの。そこでレディスで人気のブランドに、メンズの色柄ソックスをお願いしました。

 

<Kiwanda>アバンギャルドでミステリアスなチラ見せ色柄

 

 <Kiwanda/キワンダ>とはスワヒリ語で「工場・工房」を表す言葉。「アイデアが形になる場所」という意味で、日本人デザイナーの木内 知恵子氏が命名されました。「KiwandaKiwanda」ネームでレディスウェアを展開していますが、「Kiwanda」はシューズ、レッグウェアのブランドネームです。複雑な編み柄で、オリジナリティ溢れるコレクションを展開しています。

 

<ハロゲイト>ローファー 35,200円
<キワンダ> 左:ソックス 2,750円 右:ソックス 2,750円

 

メンズではあまり使われない色柄を取り入れたり、毎シーズン、テーマに則した柄作りをしている点もデザイナーズソックスらしいところ。今季は「Black Magic」というテーマでミステリアスな色柄を豊富に展開しています。技術と知識、デザイン力に溢れるデザイナーズならではの精密な柄は必見です。

 

本館で展開しているレディスラインでも垣間見せていたアバンギャルドで攻めた色柄使いを、メンズソックスでも余すことなく披露しています。いままでにない色柄は、ファッション好きな男性なら年齢を問わずきっと刺さるはず。ドレススタイルにきっと彩りを添えてくれるとこでしょう。

 

 

ドレスアップしたスーツスタイルの足元には、繊細な編み柄の靴下がアクセント。靴下に意外性のある色柄使いをするのは、ジャケットの裏地に凝るようにお洒落な紳士の洒脱さを感じさせます。

 

Photograph:Suzukii Shimpei
Text:Yasuyuki Ikeda

*価格はすべて、税込です。
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