2016.01.19 update

木梨憲武を直撃! インタビューから紐解く<木梨サイクル>のクリエイション

とんねるずの木梨憲武の父、木梨作三が1961年に創業した祖師ヶ谷大蔵の自転車店「木梨サイクル」が1月20日~2月1日、伊勢丹新宿店メンズ館1階=プロモーションに期間限定ショップをオープンします。構想約2年。“あるきっかけ”からスタートしたというこの一風変わったプロジェクトをひも解くために「WWDジャパン」は、木梨サイクルの長男・憲武を直撃しました。クリエイターとしての顔に迫ります。


【インタビュー】木梨憲武|芸能の仕事もアートも<木梨サイクル>も いつも変わらないスタンス


──「木梨サイクル」でオリジナルグッズを作ろうと思ったきっかけは?

木梨家の長男なので、将来的に家業を継ぐというのが昭和の流れ。自転車屋なので、パンク修理やブレーキパッドを変えたりもするんですが、それだけじゃなくて、お客さんにお土産がてら何か作りたいなと思ってスタートしました。

──今回のイベント開催の経緯というのは?

出店のオファーは数社から何度かいただいていたのですが、すべて断っていました。伊勢丹からは2年ほど前にオファーをいただいてはいたのですが、1年前にたまたまハワイで木梨サイクルのグッズ販売を担当している者が、伊勢丹の紳士服担当の方との食事会を開いてくれました。そこでイベントの話になって、冗談で1Fのスペースならやりたいと言ったら実現できることになって。レイアウトも販売もプロにお任せするのは初めて。どんな風になるのか、オープンが楽しみでしょうがないです。

──このイベントのための限定アイテムもありますが、どういったブランドとコラボしたのですか?

<ポーター>の友人は昔からの飲み仲間だし、<オーバーライド>の社長も昔から遊び場が同じだったり。<チャリアンドコー>は、ニューヨークに行ったときに吸い込まれるように入った自転車屋で、そこに<オーバーライド>の帽子が売っていて、じゃあ今度日本で<オーバーライド>の社長たちと一緒に会おうねって感じで。みんな人の繋がりばかりですね。<ズッカ>はよくショップに買い物に行っていて、今回お願いしたら快く引き受けてくれました。妄想や発想はタダで自由だから、それがいくつ叶うかは相手次第なんですが、みんなプロだから100%形にしてくれる。例えばポケットやボタン以外にも、幅広い客層になるだろうからサイズ感などの振り幅を広くしています。「ISETAN」のロゴを使った帽子とTシャツは、伊勢丹がOKしてくれなかったのですが、どうしても作りたくて6回チャレンジしてやっとGOが出ました。横に小さく入っているものなどはあるかも知れないけど、こういう使い方をしているグッズはないんじゃないかなと思って。



──250円のキーホルダーは伊勢丹で販売しているものの中で最安値ではないでしょうか。

あまり乗っけないっていうのがうちのポリシー(笑)。 きっとどこのブランドもいろいろな人が関わっていると思うけど、基本的にうちのスタッフは、俺と成美さん(安田)と販売担当の3人だから。成美さんには、基本的にこういうモノが作りたいとかこういう形がいいんじゃないのとか、ほとんどのことにアドバイスしてもらっています。自転車屋の長男・憲武、その憲武の嫁・成美さんというのはブラさないで、ほとんど儲けはないけど面白いからやる。もともといろんなことに興味津々で、アパレルだったり、デザイナーだったり、アーティストだったり、何かの職人だったり、そういう周りの友達をへーって感じで見ながら。でも真似をすると同じになっちゃうから他に何かないかなとか、おもしろいことができないかなって探して、そういうスタンスでやっていたら芸能の仕事もアートの仕事も今回のイベントも何も変わらないですね。

──遂に<木梨サイクル>のコラボ自転車も発売されるそうですね。

フレームに<木梨サイクル>のロゴが入った<パナソニック>製の自転車を限定で販売します。グッズを作り始めた頃に通販で自転車販売を考えたことがあったのですが、社長である作三に相談したところ自転車の通販だけはダメだと。あまり良い悪いと口出ししないのですが、それだけは頑なに。日本中の人に買ってもらって一体誰が修理するんだ、各町の自転車屋さんに失礼だろうと言われました。要するに祖師谷大蔵近辺の方だったら何かあれば自分で飛んでいくこともできるけど、売ってハイ終わり、じゃあダメだということです。だから今回も自転車だけは伊勢丹で販売しないで、祖師谷大蔵の「木梨サイクル」で売ります。会場には、ディスプレイしますけどね。

──インバウンドやこれまで<木梨サイクル>を知らなかった人など、客層も幅広いと思います。

これまでひっそりとやっていたことがいきなり世に出る感じだから、みんなどういう風に感じてくれるのか。美術館でアートの展覧会をするときと同じ気持ちですね。なるほどねとか、かわいいとか…。何か引っかかってお店に寄ってくれるのか、スルーされてしまうのか…。アートと違って商品なので、今まで感じたことのない気持ちです。

──楽しみにしているお客さまに一言。

気に入ったのがあれば…。いや、ちゃんとしたブランドは上にたくさん揃ってます (笑)

木梨サイクル×ISETAN MEN'S
□1月20(水)~2月1日(月)
□メンズ館1階=プロモーション


お問い合わせ
メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス
03-3352-1111(大代表)