2020.04.07 update

【特集】伊勢谷友介率いるリバースプロジェクトと鞄ブランド<マスターピース>の取り組みが持つ、本当の“意味と価値”とは?

さまざまな社会課題解決型のプロジェクトを実施している「REBIRTH PROJECT(リバースプロジェクト)」が、ファッション性と機能性を融合させたバッグ作りで定評のある<master-piece/マスターピース>とコラボレーションを発表。これまでリサイクルが難しいとされてきた自動車のエアバッグ、そして害獣として駆除された鹿や猪の革を素材として利活用した、付加価値の高いバッグやハンティングベストを発売する。リバースプロジェクトの代表である俳優・伊勢谷友介氏に、このプロジェクトに込められた思いを訊いた。




世の中を変えることを目指した、デザイン思考のトリックスター。


<マスターピース>は、「master(支配する、マスターする)」+「piece(ひとつひとつ)」=masterpiece(傑作)という言葉の成り立ちそのままに、ひとつひとつを大切に、傑作を生み出すブランドであり続けたいという思いを込めて命名され、1994年に発足したバッグブランド。ものづくりにおいては「ファッション性と機能性を兼備したバックをファッションの一部として提案する」というコンセプトの下、日本人ならではの高い美意識や技術を背景とした、専属の職人によるメイドインジャパンにこだわっている。

そしてリバースプロジェクトは、映画監督、俳優、モデル、アーティストなどさまざまな分野でグローバルに活躍する伊勢谷友介氏が代表を務め、企業や団体とタッグを組んでさまざまな社会課題の解決に取り組む “株式会社”だ。

「僕は芸大時代に染み付いたのですが、あらゆることにデザイン思考で取り組んでいるんです。大学在学中にはファッションデザイナーを志していたのですが、自分のデザインした服を誰かに着てもらって初めて完結するというデザイナーの仕事は、自分の理想とは異なるものだとふと気がついた。そんなとき、映画の世界では、“世界”の環境や空気、重力のありなしまで自由に決められる映画監督を志すようになりました」。


幸運にも大学院を卒業してすぐに『カクト』という作品で監督デビューを果たした伊勢谷氏だが、やはり映画監督という立場でも、自らの根源的な欲求である「世の中を変えたい」という思いは叶えられないことに気づいてしまう。リバースプロジェクトという株式会社を立ち上げ、資本主義社会の一員としての活動を通じて世の中を変えることを目指そうというアイデアは、そんなプロセスから生まれたものだ。

「立ち上げたばかりの2010年頃は、そういう活動をしていると“二足のわらじ”なんて揶揄されましたけどね(笑)。今とは全然違って、色々学ばなきゃいけないことがあるのに“石の上にも三年”なんて言葉で縛り付けられたりして。これって子どもの教育的にも本当に良くないことだと思っています。技術的にしっかりした教えるべき人がきちんと教えれば、3年なんて必要ない。自分がトリックスターのような存在として生きていくことが、日本を変えるきっかけになってくれればと思っていました。<マスターピース>と出合ったのも、『あのブランドなら、きっと世の中を変えるっていう取り組みに共感してくれると思うよ』という知人の紹介がきっかけでした」


製品としての魅力と並ぶ、社会貢献という大きな“価値”。


2010年に産声を上げたREBIRTH PROJECTと、いち早くコラボレーションを果たしたバッグブランド、<マスターピース>。その奇跡的な出合いはある種の必然として、10年後の今年に再び実を結んだ。

「僕らは会社を立ち上げてすぐに、『AIR-BACK』というプロジェクトをスタートさせました。それまでリサイクルが難しいとされてきたクルマのエアバッグを再生利用して、特別な価値を付与した製品を創造するというものです。<マスターピース>には、エアバッグの頑強さや独特の素材感を活かしたバッグの製作を請け負ってもらえることになったんです」


2005年から運用が始まった日本の自動車リサイクルシステムは、当初のリサイクル率82%程度だったものが徐々に社会に定着し、現在では99%(重量ベース)にまで高まっている(*1)。それに一役買ってきたのが、この「AIR-BACK」プロジェクトというわけだ。最初のコラボレーション当時よりも製造・加工技術が発達し、染色や縫製の面でも着実に進化。さらに今回は害獣(シカやイノシシ)の革を有効利用する「INOCHIKA」(イノシシとシカにイノチを吹き込むという意味)プロジェクトも加わり、製品の部材の一部に「INOCHIKA」レザーを採用したという。

「僕は、それまで環境への意識があまり向いていなかった方々を、リバースプロジェクトの働きかけによってその意識や取り組みに影響を及ぼすことで初めて、世の中を“変える”ことができると考えています。そういう意味では、10年前よりも積極的にサステイナブルなものづくりに取り組む企業が増えてきている。リバースプロジェクトの10周年、<マスターピース>の25周年というアニバーサリーイヤーに、こうして再コラボレーションができるというのは、とても意義深いことだと思いますね」


「普段は手ぶら派(笑)」という伊勢谷氏だが、1泊旅行に便利なバックパックや、ハンズフリーで身の回りの小物を持ち運べるハンティングベストは特に気に入っているという。

「僕はあくまで企画立案者。好みが独特すぎることもあって、デザインや細かな仕様については口を出さないようにしているんです(笑)。その道のプロフェッショナルにお任せしたほうが、皆さんに受け入れていただける製品ができると思っていますしね。スノボードシーズンは、降雪情報を聞きつけては雪山にすぐ駆けつけられるようにしているので、着替えやタオルなどの一式を投げ込めるバックパックは頼りになりそう。普段はハンティングベストを身に着けて、できるだけ手ぶらで出歩きたいと思っています。コレ、背中にポケットついていたら台本入れられてさらに便利なんですけど……。特別に作ってくれませんかね?(笑)」

  • <マスターピース>
  • リュック 37,400円
  • ベスト30,800円

プロダクトとして優れているのはもちろんのこと、このコレクションを所有し、使用することがサステイナブルな社会の実現と環境問題の改善につながる。そんな“背景”により大きな魅力と価値を感じる。そんな大人でありたいと思う。

*1 出典:Sankei Biz「自動車リサイクル 再資源化率99%を達成」〈https://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170629/cpc1706290500002-n3.htm〉(最終アクセス2017年6月29日)


イベント情報
<マスターピース>ポップアップストア
  • メンズ館地下1階=バッグ

Photo:Shunsuke Shiga
Text:Junya Hasegawa(america)

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