「バスケって、ユニフォームもシューズもお洒落じゃないですか。ヒップホップアーティストたちがウェアを着ていたり、エアジョーダンに代表されるバッシュなんかもファッションアイテムになってますよね。自分でやっていて、バスケットボールって、そういうところもすごいスポーツだなぁ、って思うんです」。

そう話す野呂さんに普段のファッションについて聞いてみると、少し考えたように「なんて言おう?」という顔をしている。そして意を決したのか、バツが悪そうに答えてくれた。


「…じつは、偉そうなこと言っておいて何なんですが、全然こだわりがなくて。私服は、ここ何年も買ってないし、いつもジャージです。バッシュもとくにこだわりがなくて、痛くなく履ければなんでもOKなんです。背が高いだけじゃなく肩幅も広いっていう個性的な体型なんで、おしゃれはずっと前にあきらめました。ほんと、ぜんぜんお洒落じゃなくて、すいません」。

そう申し訳なさそうに話す野呂さんに、そうはいいながらも若い頃は、学生時代は、どんな服を着ていましたか?と尋ねていくと、徐々に彼のいう「おしゃれをあきらめた」理由が明らかになってきた。

「子供の頃から背が高くカラダも大きかったので、服は着られるサイズであることが大前提で、デザインや色とかを選ぶことなんてできませんでした。足も31㎝なんで、履けるサイズがあったら買うっていう感じで。昔からあまり服を選ぶってことをしてこなかったので、今だにファッションって、よくわからないんです。いまはインターネットで大きいサイズが簡単に探せる便利な時代になりましたよね。今の子は、恵まれてるなーって思います」。

日本人の大柄アスリートには、着られるサイズがないことから服を諦めることが習慣づいている人が少なくない。野呂さんもそう。プロになって遠征や移動、記者会見などでスーツを着ることを義務付けているスポーツもあるが、まだ若い3×3にはその規定が無いらしい。とはいえ、つねにジャージーにトレーニングウェア姿では、ストイックなアスリートとしては正解かもしれないが、子どもたちが憧れるスーパースターには不似合いだろう。

「お洒落上手な先輩の背中を見ていると、自分もお洒落したいなと思うことはあるんです。でもまずサイズがないだろうなと思いこんでいるから、どこに服を買いにいけばいいかわからないし、服の選び方もわからない。みんな、どこで買ってるんだろうって。伊勢丹メンズ館の7階に行けば、僕が着られるサイズがあるってことも今回初めて知ったので、どこで買えばいいかは、ようやくわかりました。これからはコーディネートもリハビリしていかないと。あ、初心者なのでリハビリじゃなく、イチから学ばないといけないですね(笑)」。

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