2017.03.14 update

【インタビュー】世界最高峰のステーショナリーの価値を高める“専属スタンパー”という仕事

「1年間毎日付き合うダイアリーは、美しい佇まいを持つ<SMYTHSON/スマイソン>に決めています」というお客さまに好評をいただいたのが、メンズ館1階=革小物で昨年9月に開催した刻印サービス。期間中にノートやダイアリーを購入された方のほとんどが表紙に箔押しの刻印をオーダーされました。そのサービスを担当したのが、<スマイソン>スタンパーとして1年目、24歳のゴールドスタンパー、トーマス・ダニエル(Thomas Daniel)氏。初来日で大忙しだった彼に、「スタンパーの仕事」を伺いました。



ボンドストリート本店に5人、全世界で15人いるスタンパー


英国王室御用達のステーショナリーブランド<スマイソン>のノートやダイアリーを愛用する人にお馴染みの刻印サービス。昨年9月からのメンズ館1階=革小物での<スマイソン>商品常設を記念して、トーマス・ダニエル氏が専用のスタンプ機を携えて初来日を果たしました。

――メンズ館でのスタンプサービスに指名されたとき、どんな気持ちでしたか?

日本での「GOLD STAMPING SERVICE」に指名されてとてもハッピーでした。初めての日本で、こんな機会をもらえたのは、会社が自分のことを認めてくれたと感じました。こんな素晴らしい機会を与えてくれたスマイソン社に感謝の気持ちでいっぱいです。


――なぜ<スマイソン>に入社したのですか?

まず、英国を代表するラグジュアリーブランドとして、とても素晴らしい商品を作っている。それも毎日使うことができるノートやダイアリーから、セレブリティが好む革小物やバッグなど高級なものまで、どれもおしゃれで機能的です。とにかく「いつも身近にある特別なモノ」という商品が好きです。

――<スマイソン>のスタンパーの仕事を教えてください。

フラッグシップストアのボンドストリート本店に5人、あと、ロンドン、パリ、香港、NYなど全世界で15名のスタンパーがいます。私はまだ1年目ですが、この仕事に就けたことを誇りに思っています。<スマイソン>のスタンプはとても大切な仕事なので、責任も感じています。


スタンプすることによって生まれる“MAKE IT PERSONAL”という愛着



――
スタンプはどうやって練習するのですか?

私の場合は、<スマイソン>のノートを生産している英国内の工場で修行をしました。<スマイソン>には「パナマ」サイズの小さなノートやダイアリーから、かなり大判のノートまであるので、スタンプの大小によって機械の種類が変わります。そういう操作も含めて2カ月ほどかけて学びました。

――商品にスタンプすると、お客さまは本当に喜ばれますね。

はい。イニシャルは「自分のモノ」という確かな印です。自分で使うときには愛着が増していき、大切な人に贈ったり、ギフトとしていただいたりすると、特別な想いが伝わってきます。


――イギリスのお客さまに比べて、日本のお客さまに対して感じたことはありますか。

日本のお客さまは礼儀正しくて、刻印した商品をお渡しすると、本当に喜んで感謝してくれます。笑顔も印象的でした。日本のお客さまは、ドット入りの小さなイニシャルを好まれますね。皆さんのノートやダイアリーがどう成長していくのか、私も楽しみです。

現役スタンパーが使用するノートを拝見!



トーマス・ダニエル氏が使っているノートを特別に拝見


――
トーマスさんは<スマイソン>のノートをどう使っていますか?

私は主に仕事で使っていて、スタンプの仕事でいただいたお客さまの要望や、仕事の履歴など、忘れたくないことをメモしています。

――
トーマスさんのノートのカバーは飛行機がたくさん刻印されていますね。

飛行機が大好きなので、自分の思うとおりに飛行機のモチーフをたくさん刻印しました。こうやって手を加えると本当に愛着が沸くことを実感しています。

――まだキャリアは浅いですが、印象に残っているスタンプは?

以前あるおばあさんのアルバムのスタンプサービスを担当したことがあって、そのアルバムは第一次世界大戦で亡くしたお兄さんの思い出がたくさん詰まっているものでした。そして、いまだにお兄さんが見つかっていないそうで……。この出来事はすごく印象的でずっと心に残っています。


――メンズ館の印象を教えてください。

店内は清潔感があり、ファッションの最先端のブランドがたくさん揃って、優しいスタッフがたくさんいると思います。全体的によく組織されている印象を受けました。今回の刻印サービスでは、<スマイソン>をすでにご存知の方がペアで購入されたり、ギフト用に選ばれたりしていました。まだ<スマイソン>を使ったことがない人に、ぜひご愛用いただきたいと思います。


――では、最後にトーマスさんから日本の<スマイソン>ファンにメッセージを。

日本は本当に美しい国です。驚くほどの美味しい食事や豊かな文化があります。人びとはとても親切で、尊敬できる上、仕事の効率がとてもいいと感じました。日本に滞在した間、すべてのことがすごく簡単に思えました。

食文化でいえば、空港に着いてからレストランで食事をするときに10分以上待たされたことがありません。また雨の日に無料の傘を提供してくれるのは本当に素晴らしい。私は年齢に関係なく、周りのいろいろな人に日本をおすすめしたい。日本は本当に期待を裏切らない国です。それからすべてのことにおいて豊富な選択肢があり完璧に対応してくれます。

日本ならどんな物でも手に入ると聞きましたが、来てみたら本当にその通りだと思いました。

Photo:Tatsuya Ozawa
Text:ISETAN MEN‘S net

*価格はすべて、税込です。

お問い合わせ
メンズ館1階=レザーグッズ
03-3352-1111(大代表)
メールでのお問い合わせはこちら