2016.02.25 update

【インタビュー】写真作家・柏木龍馬(後編)|写真表現とは、今の自分を総動員して構図を決めること

世界を旅するチャーリー・ヴァイスの念願だった「ネイビーのライカ」が「LEICA T “CHALIE VICE” Special Selection」として実現し、5月に購入者限定のモデルシューティングイベントが開催されます。1日限り・20名限定で直接レクチャーを担当するのは写真作家の柏木龍馬氏。「ネイビーのライカTのシャッターボタンへの指のかけ方など、基本の構え方からお話しします」と意気込みを語ります。
前編はこちら


M型ライカから「ライカ T」へ

――柏木さんはM型ライカから「ライカ T」へ移行されましたが、最初から気に入りましたか。

フランスで行われたクラシックカーレースの祭典「ルマンクラシック」で初めてテストシューティングをしたのですが、M型よりもハンドリングが良くてすぐ気に入りました。

――「ライカ T」はどのように使っていますか。

「ライカ T」のボディに、Mのレンズを使っています。基本的にマニュアルで、フォーカスは目測です。目測の感覚はM型を使っているときに鍛えているので、何センチ刻みまで判断できます。ルマンクラシックでは600カット撮ってフォーカスが来ていないのは4カットだけでした。



――「ライカ T」をMのように操っているんですね。

M型を使っているとフォーカスが正確に見られるので、Mとまったく同じ使い方ですね。ただ、M型のときはカメラは3点で支持して、構えた瞬間に水平・垂直がでるような訓練をしていますが、ライカTは小さい分、水平・垂直がブレやすいので、きちんと出したいときはディスプレイに頼ります。「ライカ T」の構え方は3種類のバリエーションがあるので、モデルシューティングイベントのときにお教えします。


画創りとしてのライカの魅力とは

――柏木さんは長くライカを使っていますが、一番の魅力はなんですか。

単純に言ってしまうと「高精細」ですね。画面の中心と外側で画が破綻していないし、レンズの設計がしっかりしている。あとはM型が特にそうですが、落としてもぶつけても壊れない。僕が使っていたM型は、ファインダーがずれていましたが、壊れたままでも使えました。

――ライカTの魅力は。

ライカTは「画を撮りたくなるカメラ」ですね。自分が初めて画を撮ったときの高揚感が蘇りました。私はいかにも画を撮りますよというのが嫌で、スタイリッシュなものがほしかった。ライカTは日常でも使えるのが大きな魅力です。


「良い画を撮るコツ」を教えてください

――カメラ愛好家から「良い画を撮るコツ」など質問も多いと思いますが。

その答えはすごく難しいのですが、最終的には知識の量が決めると思っています。みなさん「良いフレーミングしたい」と思っていますが、では、良いフレーミングやシャッターチャンスというのは、どこから導き出されるのか。それは「発想」でしかありません。

――瞬間の発想ですね。

哲学的になってしまいますが、自分が日ごろ何を考えて、何を見ているかが明確であればあるほど、良いフレーミングができる。市販のカメラ本にはさまざまなことが書かれていますが、画は時間との対峙です。今の自分を総動員して構図を決めることが最も大事なことだと思います。


LEICA T “CHALIE VICE” Special Selection
□価格:313,200円(20セット限定)
□セット内容
■「LEICA T」カメラボディ(レンズ別売)
■YUHAKU レザー風呂敷(裏地:江戸小紋廣瀬 謹製)
■写真作家・柏木龍馬氏 作品(ポストカードサイズ)
【購入特典】柏木龍馬氏とのモデルシューティングイベント参加権(開催日程は5月下旬を予定)

*価格はすべて税込です。

Photo:Ozawa Tatsuya


柏木龍馬

1976年、静岡県に生まれる。写真家 故奥村嘉邦に師事。1999年、Newsweek誌カバーフォトにてデビュー、フォトジャーナリストとして活動を開始し、イスラエルを中心にドキュメンタリー・スペシャリストとして作品を発表。NATIONAL GEOGRAPHIC誌などの媒体を経て、2008年にパリを拠点とする。フランス・パリのギャラリー PHOTO 4/ LWSと専属作家契約を結び、写真作家へ転身。作品制作のテーマを「美しく儚い」に統一する。
LEICA OSKAR BARNACK PREIS 2009 トップ75、LEICA FOTOGRAFIE INTERNATIONAL 35mm Competition トップ25、2015年、ライカカメラ・ジャパンのサポートにより銀座三越で作品展「ginza troposphere」、代官山で作品展「LeMans classic/Racers」の展示を行う。


CHALIE VICE

チャーリー・ヴァイスは、いつも世界のどこかを旅している。世界中に才能ある友人たちがいる。人生を愉しむ術を知り尽くしている…。チャーリーを中心に集った友人たちと創りだす、人生を豊かにするモノ・コトをシェアする場所がCHALIE VICEというブランドです。彼が亭主を務める メンズ館8階=イセタンメンズレジデンス THE GALLERY by CHALIE VICEには、彼が幾つもの旅の中で得た「人生を愉しむ術」が集まります。
http://www.imn.jp/feature/chalie-vice


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