2016.02.09 update

【イベントレポート】LUPINISSIMO IN ISETAN|干場義雅×前田陽一郎が語り合う「ルパン三世と、世界でいちばん花を贈る日」

ルパン三世のファッションやライフスタイルと、バレンタインデーに男性から女性へ花を贈ることから生まれる新しい物語――フラワーバレンタインアンバサダー干場義雅氏と男性ファッション誌『LEON』前田陽一郎編集長によるフラワーバレンタイントークショー「ファッションから考察するルパン三世とイタリアの花贈り事情」が、「伊勢丹130周年 ISETAN×ルパン三世 LUPINISSIMO IN ISETAN 2016」会場で行われました。


ルパンは、ちゃらちゃらしているジェントルマン?

干場義雅(以下、干場) お客さまも多くてすごく熱気のある会場ですね。ルパン三世はほんとに人気がありますね。
前田陽一郎(以下、前田) 雑誌『LEON』は2005年まで干場君がファッションディレクターを務めていて、06年から今までの10年間は僕が手がけていますが、創刊初期の頃からルパンのイメージはあったんですよね。
干場 そうですね。みなさんご存知の(パンツェッタ)ジローラモさんは顔がルパンに似てますよね。彼はイタリア生まれですが、ナポリに行ってもあんなにカッコイイ人はなかなかいませんよ。
前田 ジローラモさんは特に初期の頃は似ていましたよね。実はイタリアの男性って顔が大きくて、身体はずんぐりむっくりなんです。そこがイタリア人のいいところなんですが(笑)。ジローラモさんはフランスでも女性にもてるし、インターナショナルマンですね。干場君はルパン好きなんでしょ?


干場 大ファンですよ。あのちゃらちゃらしているところが魅力ですね。ジローラモさん同様、ルパンこそインターナショナルマンです。
前田 確かに。なにもかも正しくなければならないという今の世の中の風潮に対して、ルパンのようにちゃらちゃらしていても最終的に芯が一本通っていれば、それまでのプロセスは全部OK! みたいなのには憧れますよね。
干場 ちゃらちゃらしているジェントルマン(笑)。
前田 自分には(峰)不二子ちゃんがいるのに、放映中の新シリーズでは違う女性に求愛している(笑)。でも誰もルパンを責めないのは、彼にはもっと太い芯がどこかにあるのだろうということを前提とした行動だから許されるんですよ。
干場 そして、やるときはやるというのがカッコイイ。僕は「カリオストロの城」のルパンが大好きで、あの物語は最後がハートフルなんですよね。ハートフルで人情味もあって、そこにルパンの真髄があります。


ルパンのスタイリングの秘密は?

前田 ルパンのスタイルがカッコイイのは、肩を強調したジャケットにナローなタイを締めて、パンツが細くて、足首の細さを強調するためにブーツを履いている。それらが男としてのカッコイイ雰囲気を醸し出しています。不二子ちゃんはキュッと締まったウエストに、バストとヒップにボリュームがあってとてもグラマラスですが、男性のグラマラスさを表現するとルパンのようなスタイリングになりますよね。
干場 そうですね。実は前田さんは超美脚で“ルパン脚”なんですよ。

前田 いやいや、まさか干場君にそんなことを言われるとは思わなかった(笑)。人間の一番細いところは足首で、お相撲さんでも僕の倍あるわけではないので、体型で差は出ないんです。だから、その一番細いところを強調してあげるのが、脚をきれいに見せるポイント。僕はウエストはしっかりあるんですが、ブーツを履いたりして工夫しています。
干場 前田さんのようにメリハリの効いたスタイリングだと、ルパンぽい雰囲気が出せますね。


人生で一番覚えている花のプレゼント

前田 ところで、2月14日のバレンタインデーも迫ってきていますね。干場君は変わらず女性に花を贈っていますか?
干場 フラワーバレンタインのアンバサダーを務めて今年で4年になります。もちろん花は贈っていますよ。前田さんはどうですか?
前田 女性に花を贈ってとても喜ばれたことがあって、ミラノで女性3人と僕とでビジネス会食をしていたんですが、外にタバコを吸いに行ったら花売りが来て。
干場 ミラノは有名レストランの周りとかに花を売りに来るんです。
前田 それで普段は断るんだけど、3人の内の一人が誕生日だったのを思い出して、白いバラ2本と赤いバラ1本を買ってテーブルに戻って渡したら、こっちが驚くほど喜んでくれました。あれはビックリしましたね。
干場 日本の男性は照れている場合じゃないですよね(笑)。
前田 ほんとそう。さり気ないならさり気なく、仰々しいなら仰々しく。花を贈るときはキザでもいい。


合言葉は、「口で言えないことは、花で言え」

干場 男性が花を持っているとカッコイイんですよ。男性はいろんなアクセサリーを身につけていますが、一番カッコイイのは花を持っている男。あと、イタリア男はジェラートも持ってます(笑)。
前田 スーツにジェラートね(笑)。
干場 ジローラモさんは、「口で言えないことは、花で言え」って言ってました。
前田 かっこいいね。
干場 花には必ず花言葉があるますよね。それに託してって。
前田 さすがジローラモさんは根っからの“レオン”ですね。大事なのは、「俺が花を贈っても似合わない」って思わないこと。


干場 花って生きものなので、時間が経つとなくなってしまうけど、贈ったときの記憶は絶対残ります。
前田 そう。照れずに、キザだと思わないで、フッと花を贈る。「この人素敵だな」って思ったら贈る。相手を敬う気持ちを花に託して贈ればいい。そしてその二次的にもてるなら最高です。
干場 日本のバレンタインデーは、「女性から男性へチョコレートで愛を伝える日」が一般的ですが、世界のバレンタインデーは、「男性と女性がお互いに愛や感謝の気持ちを伝えあう日」なんです。だから、男性も臆せず、バレンタインデーに女性に赤いバラを贈ってみてください。
前田 男性みんなルパンの気持ちになって花を贈ってください。


干場 義雅

ウェブマガジン『FORZA STYLE』編集長/ファッションディレクター。テレビ番組のファッションチェックコーナーなどでもおなじみで、メディアの枠を越え、多岐にわたって活動中。4月15日に初の著書『ファッション雑誌を見る前に読むべき本』を出版予定。
http://gendai.ismedia.jp/list/forzastyle

前田 陽一郎
雑誌『LEON』編集長。大学在学中、ファッション誌のライターとして雑誌に携わる。卒業後、大手内装建築・デザイン会社を経て、94年より(株)祥伝社にてストリート誌の草分け『Boon』に参画。エアマックス、古着、Gショックなど数々のブームを仕掛ける。2006年より(株)主婦と生活社。副編集長を経て、2011年より現職。
http://www.leon.jp/


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