【第15回】意外と知らないスーツの名称 『スラックス』編

前回のジャケット編に続き、スラックスの名称をご紹介します。
ジャケットに比べて、目立ちにくいディテールが多いスラックスですが、実はジャケットと同じように名称がたくさんあるんです!ここでいっしょにおさらいをしていきましょう。


左/スラントポケット
斜めに角度がついたポケットをスラントポケットとよびます。ジャケット編にもスラントポケットがでてきましたが、どちらも斜めになっているので、呼び方は同じです。シャープな見た目が特徴。
右/セットインポケット
はめ込み・縫込みという意味合い通り、サイドのミシンの縫い目に沿ってポケット配した形見た目はすっきりしています。



テング

この尖った部分は「テング」と呼ばれています。見たまま天狗の鼻のような形をしています。ファスナーの内側に「テング」を配することで、ウエストがしっかり締り、履き心地(フィット感)を良くします。



左/コインポケット・ウオッチポケット・チケットポケット
コインを入れたり、ベルトループにチェーンや紐をつけ懐中時計を入れたり、切符を入れたりと小さいポケットには使い方がたくさん。用途が由来となっており、3つも名称が存在します。
右/サイドアジャスター
スラックスのウエスト部分についているもので、これを締めてウエストを固定します。ほとんどの既成スーツ・スラックスには、サイドアジャスターはつきません。オーダーのオプションで付けることが可能です。



サスペンダーボタン
サスペンダーにはクリップ式とボタン式の2種類があり、画像はボタン式のタイプ。直接スラックスの内側にボタンを縫い付けます。前に4か所、後ろに2か所縫い付けて、サスペンダー本体をボタンで固定します。履き心地や見た目はクリップ式よりも洗練されています。ジャケットの内側からちらっとのぞくサスペンダーはとてもおしゃれです。



上/インタック
「タック」は腰回りにゆとりを持たせて動きやすくする役割と装飾としてヒダが縦長のエレガントなラインを出してくれます。「インタック」とは、内側にひらくことにより腰回り・おしり回りのゆとり感を少なくし、見た目の広がりを抑える効果があります。
下/アウトタック
「インタック」と反対に外側に向かって折りたたまれている「アウトタック」。見た目も履き心地も「インタック」よりゆったりしています。


『スラックス』ディテール編、いかがでしたでしょうか。
名称シリーズはまだまだ続きます!お楽しみに。