【第14回】意外と知らない?!スーツの名称『ジャケット』編

ジャケットの名称…知らないままになっていませんか?
そこで今回はスーツの名称『ジャケット』編をお送りします。基本の「き」をおさらいして、新年のスーツ選びにお役立てください!

コンケーブショルダー/ナチュラルショルダー

左の「コンケーブショルダー」は首の付け根から肩先線が弓なりに湾曲し、肩先で高く反りあがった肩のラインのことで、“コンケーブ” とは 「くぼみのある、凹面の」という意味。肩先のふくらみにより肩が立体的に見えるので、なで肩の方におすすめです。右の「ナチュラルショルダー」は直訳の“自然な肩”のとおり、パッドをあまり使用せずなだらか肩のラインが特徴です。肩回りに柔らかいラインが出ますので、いかり肩の方におすすめです。


マニカカミーチャ

イタリア語でマニカ=袖、カミーチャ=シャツという意味でシャツのような柔らかい肩まわりで軽い着心地が特徴です。柔らかなつくりで袖山に雨のような縦のドレープができることから“雨降り袖”とも呼ばれています。軽く着用できる仕立てなので、上着にストレスを感じるという方におすすめです。


ノッチドラペル・ピークドラペル

スーツの衿はゴージライン(切れ込み線)を境に上の部分を上衿=カラー 下衿=ラペルに分かれています。左はビジネスシーンのほとんどで見かけるノッチドラペル、右はフォーマル起源のピークドラペルです。ピークドラペルは元々燕尾服を発祥として、着丈が短くなりタキシードに、拝絹がなくなり現在のものになりました。


ナローラペル・ワイドラペル

ナローラペルは左のような衿幅が細いもので、若々しい印象を与えてくれるラペルです。しかしラペルが細すぎるデザインだと、顔を大きく見せてしまうことがあるので注意が必要です。ワイドラペルは右のような太い衿幅で、落ち着いた貫禄を与えてくれるラペルです。こちらは胸囲が小さい方だと身体を小さく見せてしまう事があるので同じく注意が必要です。


フラップポケット・パッチポケット

左のフラップポケットは元々フラップ(ポケットの蓋の部分)が付いてないデザインが発祥であり、屋外で雨の時に中身が濡れないように付けたのが始まりと言われています。右のパッチポケットは元々生地一枚で仕立てたジャケットがポケットを外側から布を張り付ける他に、ポケットを備えることができなかったという理由でできた仕様だといわれており、見た目にカジュアルな印象を与えます。


チェンジポケット・スラントポケット

左のチェンジポケットのチェンジ(change)とは、「釣銭」の意味で、もともとお釣りでもらった小銭やチケットを入れていたことに由来しています。小さなポケットが目線を上に持ってくることができるので、足が長く見えることが期待できます。右のスラントポケットはテーラードのジャケットが乗馬服を起源にしており、馬に乗った際にポケットからものが落ちにくく、取り出しやすくするために斜めにしたと言われています。この斜めのディテールがウエストの絞りを視覚的に強調する効果があります。


由来や視覚的な部分にも触れてみましたが、いかがでしたでしょうか。
次回もお楽しみに!