ページトップへ

Japan Senses あおもり藍

日本の魅力を掘り起こす
ジャパンセンスィズ

埋もれていた産地、技術に
スポットを当てるプロジェクト

日本で生まれ育ちながら、知らないできた優れた文化というのは思いのほか多い。ジャパンセンスィズは“日本を元気にしていく”をキーワードに2011年にスタートさせたプロジェクトで、そんな産地や職人にスポットを当てることをコンセプトに据えた試みだ。4年目を迎える今年、三越伊勢丹がクローズアップしたのはあおもり藍。日本人女性2人目の宇宙飛行士、山崎直子氏の船内服として採用され、話題になった青森の地場産業である。

4年目の今年、
満を持して海外へ

回を重ねるごとにバイヤーの嗅覚は研ぎ澄まされ、コンテンツにもぐっと深みが出てきた。エンドユーザーの反応も上々で、もっともリピーターの多い企画のひとつに。基礎体力がついたと判断した三越伊勢丹はこの2月、海外でのお披露目に踏み切った。舞台に選んだのは、ニューヨークはソーホー。現地のファッションウィークに合わせたポップアップストア、ニッポニスタは多くの来場者でにぎわい、ビジネスマッチングの場としても成果を収めた。

青森だから生まれた
独自の藍染め技法

柳宗悦も認めた
津軽伝統の文化

柳宗悦の民芸運動で日の目を見た津軽伝統のこぎん刺し。農家の女性が丹精込めて縫った幾何学模様の刺繍をいうが、その野良着はもうひとつ、藍染めも特徴としていた。藍といえば徳島や沖縄のそれが有名だが、じつは青森にとっても、大切な地場産業だった。が、雪深い青森は藍を製造する環境としてはかなりのハンデを抱えており、他産地に大きく水をあけられていた。これを打開すべく産学一体となって開発したのが、あおもり藍である。

ナノレベルの藍が
淡いトーンも正確に表現

従来の藍染めには100日に及ぶ発酵期間を要する、スクモと呼ばれる染料が欠かせない。あおもり藍は藍の葉をパウダー状にすることによりこのタームを20分の一に短縮した画期的な技法で、安定した供給態勢を整えるのみならず、染料としてのアドバンテージも獲得した。ナノレベルの藍は生地のすみずみに含浸、淡いトーンも限りなく正確に表現してくれるという。地場で育った無農薬の藍葉だけを使っているのも見逃せないこだわりだ。

デニムに造詣が深いデザイナーも
驚嘆した、透明感

柳宗悦も認めた
津軽伝統の文化

「透き通るような質感。藍との付き合いはそれなりにありましたが、それは、これまでにみたことのないものでした」。リアルクローズを謳い、デニムとがっぷり四つで取り組んできたファクトタムのデザイナー、有働幸司。藍の魅力を物づくりに取り入れ、1シーズンにいまも2〜3回は染めの産地を訪ねるという有働でさえ、あおもり藍は素通りできないポテンシャルを秘めていた。「おそらく製造工程もさることながら、水から違うんでしょう」。

大人が袖を通すに足る
プリントシャツが完成

有働はこれを、しっかりとした打ち込みで、ドレープが美しいデッドストックのエジプト綿と掛け合わせた。トロピカルなプリントをあしらったその生地は、藍で染めることでシックな陰影を獲得、透明感のある風合いがダメを押して、大人にふさわしいプリントに仕上がった。五感を揺さぶる刺激を求めて世界を旅し、その土地土地で出会ったモノ・コトをクリエーションの源としてきた有働をして、あおもり藍はここ数年で一番の収穫だった。

ジャパンブルー あおもり藍 クリエーション

こぎん刺しの野良着や、宇宙へ行ったポロシャツも展示

4月1日(火)〜7日(月)、あおもり藍をフィーチャーしたコレクションが伊勢丹新宿店本館7階の催物場に一堂に会する。三原康裕のミハラヤスヒロや鈴木大器のエンジニアード ガーメンツ、尾花大輔のエヌ ハリウッド、そして有働幸司のファクトタムなどその数、じつに40近くにのぼる。あおもり藍の製造工程を解説するコーナーや、伝統のこぎん刺しの野良着、宇宙船内服に採用されたポロシャツの展示も。伝統工芸の奥深さを知る機会としても絶好だ。

JAPAN BLUE あおもり藍CREATION
4月1日(火)〜8日(月) 最終日は6時まで
伊勢丹新宿店本館7階=催物場